中国品質検査総局の李長江局長もこれとよく似た考え方を示した。氏は記者会見の席で、「食品安全はすでに1つの国だけの問題ではなく、1つの地域だけの問題でもなく、世界各国が直面している共通の課題である」、と語った。
食品の品質コントロールの面で、中国が直面している特殊な困難は、マーケットに数十万の作業場と小さなメーカーが存在していることである。
7月20日の記者会見の席で、李長江副局長は、米国の2つの企業が対中輸出蛋白質製品に、規定に違反してメラミンを添加し、その上検査を必要としない製品品目と偽って通関の申請を行い、検査・検疫を免れたことを明らかにした。この検査逃避事件のために、米国が6月に急きょ約100種類のペットフードをリコールすることになった。
厳しい姿勢で臨む
記者会見の席で、李長江副局長は、中国政府は当面明らかにされた製品の品質、特に食品品質の問題を高度に重視しているという姿勢を示した。7月10日の記者会見の席で、国家品質検査総局の林偉副局長は、中国政府は不法経営企業に対し、事実が確認され次第処罰するとともに、中国国家品質検査総局のウェブサイト上で法規違反企業のリストを公表することにしており、このブラックリストに組み入れられた企業の製品の輸出を禁じたことを明らかにした。
中国の既存の食品品質検査システムでは、政府クラスで品質検査総局、国家工商総局、農業部、衛生部および国家薬物検査局の5つの政府機関がそれぞれ食品の生産、加工、販売など各分野の検査を担当している。衛生部の王隴徳副部長は7月、中国は各政府部門による食品品質監督・管理を強化し、職権の重複およびブランクを防ぐため、新しい法律を策定することにも言及した。
温家宝国務院総理は25日、国務院常務会議を招集し、製品の品質と食品安全の強化について検討した。会議では、『国務院食品等製品の安全への監督管理に関する特別規定(草案)』を原則的に採択した。
会議は、製品の品質と食品の安全は、人々の健康と切実な利益、企業の信用、国のイメージと密接なかかわりがあるもので、高度に重視しなければならないとしている。そして、製品の品質と食品安全のレベルの全面的な向上を、重要な課題の1つとしなければならないと強調した。1、源から管理を強化し、厳密な食品監督・管理ネットワークを構築し、栽培・養殖、生産・加工、包装、貯蔵・輸送、販売の全過程への監督・管理を実施し、食品の安全を確保すること。2、基準体系の整備を強化し、国家基準をより完ぺきなものにし、主要指標が国際基準に合致するようにすること。3、輸出入製品に対する検査・検疫を強化し、トレーサビリティおよびリコール制度を徹底させること。4、製品の品質と食品安全の関連情報を定期的に発表し、人々の知る権利および監督権を効果的に保護すること。5、国際交流・協力を強化し、情報交換がスムーズに行われるようにすること。6、品質関連の法整備および信用システムの整備に力を入れ、信頼できる企業、責任ある企業のイメージを確立させること。
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