まず日本人に彼らの父親たちの世代の悲惨なありさまを知らせるのは非常に重要なことである。
「国や政府として、謝罪するのは当然のことである」
記者:1995年、村山首相(当時)は「村山談話」を発表し、日本が過去の一時期において国策に誤りがあり、戦争の道に走った」ことに触れている。あなたは「村山談話」をどう評価するのか?
渡辺恒雄氏:私は「談話」に積極的な評価を与えるものである。「談話」の表現は比較的にソフトなものであり、過去の一時期と言っているが、実はあの時期は別に短くはなく、10数年も続いた。あのような戦争を起こしたのは、国と政府として、謝罪するのは当然のことである。
記者:日本は中国、韓国などの国との間で歴史認識において隔たりが存在し、この本だけに頼って日本と隣国との歴史認識における食い違いを取り除こうとするなら、明らかに不十分である。日本と隣国との歴史的和解の実現、相互理解と友好協力の強化について、あなたはどんなことを提案したいと考えているのか?
渡辺恒雄氏:日本が国外の被害の状況について「検証」を行うことは非常に困難である。現在、それに立ち会った人々はほとんどすべてが故人であり、被害者である中国の人たちも大部分がもうこの世にはいない。しかし、学者たちは歴史資料を発掘しており、日中両国の歴史学をすすめている人たちも共同研究を行っている。私はもう81歳になるが、これから先何年あるのか?寿命はそれほど長くはないだろう。そのため、私は時間を切り詰めて1冊目の本を出し、日本国内の状況を「検証」し、この本を利用して日本人の考え方を変えなければならないと考えている。私は、日中両国の学者がさまざまな資料と記録を収集して、一緒に「検証」を行うのはすばらしいやり方だと思っている。
第二次世界大戦の期間に、私は2等兵として動員されて日本本土の防衛戦に参加し、中国とアジア諸国を侵略することに参加したことはなく、中国などその他の地域での状況を目撃したことはなく、いくつかの記録と資料を通じてその時の状況をいくらか知ることに限る。しかし、私は対中侵略戦争に参加したことがある人の証言などの資料を収集し、それを記録する必要があると思っている。中国、韓国、インドネシア、マレーシア、インドなどの国の人々の悲惨な状況に対して「検証」を行い、何冊かの書籍を出版する必要もある。今のこの本だけではそんなに多くの内容を含めることは難しい。
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