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食品の安全 さらに多くの責任と挑戦

 

「ジエチレングリコーは練り歯磨きでは保湿剤として使われており、それがなければ、練り歯磨きはすぐに乾燥してひびが入ってしまう。成分として使用されており、消費者の健康に害を与える可能性はない」。中国工程院会員の陳君石氏はこう説明する。

このため、中国の練り歯磨きブランドメーカー・広州立白公司の広報担当者は「ジエチレングリコールをめぐる紛争は結局、中米の基準の違いの問題だ」と語り、一方、田七練り歯磨きメーカーの広西奥奇麗公司では「この事件の背後には貿易紛争がある」と指摘している。

信用リスク

「問題の練り歯磨き」と同様、一部の食品の安全を巡る事件も公衆の信用リスクを招いた。

07年3月13日、広東省のある新聞は「広州産バナナは大規模な面積にわたってパナマウイルスに感染したため、数年内に絶滅する。このウイルスはバナナの“がん”と呼ばれ、しかもウイルスは各地に蔓延しており、すでに数か国・地域で重大な被害が出た」と報道。その後、一部のネットメディアが体裁を変えて伝えたため、多くの人がバナナを食べるとがんになると誤解するようになった。

ちょうどバナナが市場に出回る時期だったため、この情報で主要生産地である海南省のバナナの買付価格は1キロあたり3元から0.3元に下落。日間取引額はそれまでの7000~1万トンから約3000トンに減少してしまった。農業部がバナナの枯葉病は食用バナナの安全性とは何ら関係はない、と明らかにして以降、価格は徐々に正常に戻ったものの、海南省農業庁の大まかな統計によると、今回の“バナナのがん”騒ぎですでに栽培農家は少なくとも6000元の損失を被ったという。

実際、類似した事件はこれが初めてではない。

広州曁南大学新聞・伝播学院の董天策教授は「まさに『問題の食品』は消費者に不安ひいてはパニックをもたらすとともに、食品の安全をめぐって信用リスクを引き起こすことから、食品産業に重大な影響を及ぼす。さらに言えば、どんなパニックでも、そうなるには必ず社会的現実を基礎にしている。食品の安全にしてもそうだ」と分析する。

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