ダルフールの情勢を展望
現在、ダルフール問題の政治的解決はすでに実質的進展をとげた。「アナン・プラン」第2段階の案の実行に伴って、ダルフール地域に駐屯するアフリカ連合および国連部隊の装備と規模にはいずれも大きな向上と拡大が見られ、現地の安全情勢を安定させ、人道的救助の円滑な実施を確保することにプラスとなるであろう。これから見ても分かるように、関連各方面が一致して協調し、誠意と実際的な措置で各当事者側の懸念と猜疑心を払しょくし、問題を拡大するのではなく解決に努め、対立を激化させるのではなく緩和させる態度に基づきさえすれば、未来の「アナン・プラン」第3段階の案の実行も予想しうるものである。もちろん、ダルフール地域の部族と宗教の対立が過去から存在していたものであるとともに根強いものであることから、利益を奪い合うためにくり広げられる小規模の武力衝突を根絶することは難しく、地元の対立は短い期間に根本から解決されることも難しい。
(作者は中国社会科学院西アジア・アフリカ研究所アフリカ室主任、研究員)
「北京週報日本語版」2007年6月04日
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