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ダルフール――世界の新しいホットスポットの1つの現状と未来

 

ダルフール問題がスーダンの国内紛争の問題から「世界の焦点の1つとしての問題」に真に上昇した起点は2004年であった。この問題の「エスカレート」を促進した要因には次のようないくつのものがある。まずこの地域の情勢が悪化へと向かったことである。「スーダン解放運動」と「正義と平等運動」の2つの武装勢力は、政府が彼らを保護してアラブ民兵による襲撃を回避することさえなかったことを理由として、2003年2月から反政府の武装活動を展開し、それいらい、戦乱によってすでにダルフール地域で1万人以上の人たちが死亡し、約100万人が放浪者となった。その次に、ルワンダの人種大虐殺10年祭の行事が示唆の役割を果たしたことである。2004年はちょうどルワンダの人種大虐殺10年祭の節目にあたり、これに類した悲劇の再演を避けるため、国際社会は一連の写真・イラスト展と講演の活動をくり広げた。ダルフール紛争に巻き込まれた部族と宗教の背景は、人々にいま1度の「ジェノサイド」ではないかという考え方を生じさせやすいものとなった。最後に、最も肝心な要因でもあるが、それはアメリカ政府の力コブを入れた介入である。アメリカ政府のダルフール問題に対する「興味」は主に2004年の大統領選挙いらい生じたものである。実力を重視し、道義を軽視する一方的な外交政策を実行するため、ブッシュ氏は選挙戦の過程で民主党による攻撃を何度も受けることになった。道義という旗じるしをかかげることにし、同時にルワンダの人道的危機における民主党のクリントン政府の無作為とコントラストをなすようにして、黒人とキリスト教徒からより多くの票(宗教団体、アフリカ系人権組織などの院外活動グループによるプレッシャーも1つの重要な「推進力」でもあった)を得るため、宗教と人種衝突の背景を兼ね備えるとともに、アフリカに位置するダルフール問題は当然にブッシュ氏の選挙戦に用いられる重要なかけひきのタネの1つとなった。

2004年7月、アメリカの国会は決議を可決し、ダルフールの紛争は「ジェノサイド」である(国連のこの地域の紛争に対する認定は「大規模な人道的危機」である)とし、しかもアメリカ政府が行動を取り、国連にスーダンに対し制裁措置をとるよう迫ることを求めた。それによってダルフール紛争の国際化のための伏線が引かれることになった。

 

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