「青いトップスと黒いスカート」の貸衣装が大繁盛
卒業生がウェディングドレス姿で卒業写真に収まれば、それは未来への憧れの表現であり、「中華民国風」の学生服に身を包んだ卒業写真は、「昔を懐かしむ懐古路線」だ。中国の大学では、アニメ・漫画系、レトロ系、奇抜系など各種スタイルで卒業写真を撮影することが少し前から流行になっているが、今年の各大学キャンパスには、人民服姿の男子学生や、「青いトップスと黒いスカート」姿の女子学生が多く見られ、卒業写真に「中華民国」ブームが沸き起こっている。北京青年報が報じた。
卒業シーズンに入り、南方のいくつかの大学で昨年話題になった「中華民国風」卒業写真が、SNS「人人網」で多くのユーザーによって転送されている。写真には、青いトップスと黒いスカートに身を包み、2本の三つ編みお下げを垂らした「小清新(清純で物静かな雰囲気)」スタイルの女子学生が写っており、周囲の多くの同級生から羨望の眼差しを向けられた。それを見た誰もが「自分も中華民国風スタイルで卒業写真を撮りたい」と思い立ち、キャンパスにある1950年代に建てられた教学棟が、卒業写真の背景として人気トップとなった。北京大学を今年卒業する張桐さんも、流行に乗じて「中華民国風」卒業写真を撮影、ヴィンテージ加工を施してレトロ風に仕上げた。完成した十数枚の写真は全て、年代感溢れるセピア色に加工され、時代の超越感が十分に感じ取れる。「学士服(アカデミックドレス)は海外から来たものだし、中国色の濃い卒業写真を撮りたかった」と張さんは強調した。
「中華民国風」卒業写真がブームになるにつれ、民国風の服装はさらに人気が急上昇した。今年の卒業シーズン、愛燕スタジオの韓小林カメラマンは、何度も「民国風」卒業写真を撮影したという。写真のクオリティを挙げるため、韓さんのアドバイスを受け、撮影用の服を購入する学生もいた。だが、大半は貸衣装を利用した。1日のレンタル料は、1式で20元から80元(約330円から1300円)とさまざまだ。北京師範大学を卒業する裴さんは、「今年は、大学の近くにある小さな写真スタジオは軒並み、衣裳の『緊急調達』に迫られた」と話した。
北京市朝陽区大悦城の衣裳レンタル会社で働く李氏は、今年の傾向について、次のように話した。
「毎年、卒業シーズンになると、各種卒業記念公演用の衣裳を借りる学生が目立ち、その多くが中国傳媒(マスコミ)大学の学生だ。貸し出す服は、中世ヨーロッパの衣裳、中国の古い時代の服装などが多かった。だが、今年の5月中旬から、学生がレンタルする服の大半が、中華民国時代の各種学生服であることに気がついた。中でも一番人気なのは、女子学生用の『青いトップスと黒いスカート』だ。」
「うちに用意してある青いトップスは、光沢のあるシルク製のものばかり。というのも、この服を借りていくのは、新劇の学生ばかりで、新劇の舞台では、光沢のある衣裳が照明の下で最も美しく見えるからだ。今年は、いつも借りに来る常連客の中に、この光沢のある服では、撮影効果が良くないと言う人がいた。よくよく事情を聞くと、舞台用ではなく、卒業写真の撮影に使うという。このような経緯から、普通のコットン地の青いトップスを慌てて調達した」。
また、「民国風」の中でも、チャイナドレスではなく、「青のトップスと黒いスカート」に人気が集まったのはなぜだろうか?中国傳媒大を卒業する劉さんは、「チャイナドレスは、身体のラインがはっきりわかり、誰が来ても美しいラインが出るという訳ではない。一方、青いトップスと黒いスカートの学生服は、女子学生の体型上の欠点を誤魔化すことができる。民国風学生服を着ると、二の腕のタブタブや立派な太ももを隠すことができる上、ウェストも細く見える」と笑いながら説明した。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年6月25日
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