中国国旗を掲げた無人月探査機「嫦娥3号」は14日夜、月面への軟着陸に成功し、中華民族の長年の夢がついに叶えられた。嫦娥3号は今後、月面でどれくらいの間滞在し続けるのだろう?母なる地球に帰還する可能性はあるのだろうか?新華網が伝えた。
中国月探査プロジェクト総設計者の呉偉仁氏は取材に答え、「嫦娥3号は、着陸機と月面ローバーからなる。設計目標では、着陸機の寿命は1年間、月面ローバーは3カ月とされているが、私は嫦娥3号が嫦娥2号と同じく、この設計寿命を過ぎた後も、さらに長期間にわたって稼動し続けることを望んでいる。」と語った。
嫦娥2号は2010年に打ち上げられた月探査衛星で、設計寿命は半年とされていたが、現在にいたるまで追加任務を継続しており、すでに地球から6千万キロメートル離れた深宇宙に到着、今では太陽を周回する人工の小惑星となっている。
嫦娥3号の着陸機は着陸地点での観測を実施し、一方の月面ローバー「玉兔号」は、月面を移動しながら巡視探査を行う。2つの設備は相互撮影を行うほか、▽月面の形状と地質構造の調査▽月面物質の成分と利用可能な資源の調査▽地球のプラズマ層の観測と月からの天体観測――といった科学調査任務を共同で実施する。
専門家は、「嫦娥3号の任務は『月面着陸』であり、中国の宇宙機として初めて地球外天体への軟着陸を実現することだ。嫦娥3号は地球帰還のためのロケットを搭載していないため、地球に戻ることはできない。任務が終われば、永遠に月面に留まることになるだろう」としている。
中国の月探査プロジェクトは「周回」、「着陸」、「帰還」の3段階に分けて実施されている。嫦娥1号は月周回任務を完了した後、月面への衝突に成功し、任務を終えた。月面着陸を目的とするプロジェクト2期ではまず、嫦娥2号が打ち上げられ、月面の詳細調査を行った上で、嫦娥3号と嫦娥4号(嫦娥3号のバックアップ衛星)が主な任務を完了する計画となっている。
月探査プロジェクト2期の総体部部長・劉トウ傑(トウは丹にさんづくり)氏は、今後の月探査任務について、「月探査プロジェクト3期は2011年に立案が認可された。2017年をめどに、月面のサンプル採取・地球への帰還を実現する計画だ」と語った。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年12月15日
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