北京と上海を結ぶ「京滬高速鉄道」のフロントガラスに重さ1キロのアルミ玉が時速540キロで、体重1キロの鳥が時速400キロで、重さ20グラムのアルミ玉が時速400キロで飛んできてぶつかったら、どうなるだろうか。1キロのアルミ玉の場合、ガラスに傷はつくが貫通はせず、乗客・乗務員にも被害はない。1キロの鳥や20グラムのアルミ玉ならガラスに傷もつかない。新華網が24日に伝えた。
国家安全ガラス・石英ガラス品質検査センターの臧曙光副主任は過去2年間、こうした実験を1つ1つ重ねてきた。京滬高速鉄道のCRH380AとCRH380Bのフロントガラスとサイドガラスがその対象だ。衝突実験はその一部で、臧副主任のチームは光学、電気学、衝撃強度、環境劣化耐性など20の観点から実験を行い、「割れないガラス」を確保してきた。
航空機用ガラスを基に設計や厚みの調整を行っているため、京滬高速鉄道のガラスは衝撃強度基準を満たすことができる。また、サイドガラスはフロントガラスほどの強度を要求されない。
臧副主任は「技術的に本当に難しいのはフロントガラスを通して車外の物体を見た時に変形しないことだ」と率直に語る。高速運動しながら変形した物体を見ることは、人間の目にとって有害だ。先頭車両の設計の視点に立つと、流線型や抵抗の最小化などの要素を考慮しなければならない。一方ガラスメーカーにとっては、ガラスのフォルムと車体との接合性や光学的な品質も考慮する必要があり、容易なことではない。フロントガラスは双曲面構造だし、ガラス自体も重層構造だ。各層をしっかりと接合して初めて、光学的効果への影響を避け、物体を見ても形が変わらないようにすることができる。(編集NA)
「人民網日本語版」2011年5月24日