――憲法と香港基本法が付与した全国人民代表大会常務委員会の職権を行使する。第一に、香港特別行政区の立法機関が制定した法律に対して届出審査を行う。2013年末までに香港特別行政区が全国人民代表大会常務委員会に届け出た法律は全部で570件である。第二に、香港基本法付属文書3に列記されている特別行政区において施行される全国的法律についてその追加・削除を行う。現在全部で12の全国的法律が香港基本法付属文書3に繰り入れられ、香港で施行されている。第三に、香港特別行政区に対して新たに授権を行う。1996年、全国人民代表大会常務委員会は、香港特別行政区政府が、その入境事務所を香港特別行政区の国籍申請受理機関に指定し、国籍法とその解釈が定めるところに基づいてすべての国籍申請について処理する権限を授与した。2006年全国人民代表大会常務委員会は、香港が深圳湾通関所と香港側通関所エリアに対して香港特別行政区の法律に照らして管轄を実施する権限を授与した。第四に、香港基本法に対して解釈を行う。全国人民代表大会常務委員会は1999年、2004年、2005年、2011年にそれぞれ、香港の永久住民が香港以外の場所で産んだ中国籍の子女の香港居留権の問題、行政長官と立法会の選出方法改正の法的手続きの問題、補欠選挙で選出された行政長官の任期の問題、国家免除原則の問題などについて、基本法および同付属文書の関連条項に対して解釈を行った。第五に、香港特別行政区の政治制度の発展の問題に対して決定を行う。全国人民代表大会常務委員会は2004年には、香港特別行政区の2007年行政長官と2008年立法会の選出方法の関連問題について決定を行った。そして2007年には、香港特別行政区の2012年の行政長官と立法会の選出方法、および普通選挙の問題について決定を行った。第六に、香港特別行政区の行政長官と立法会の選出方法改正案を承認、届出受理する。2010年、香港特別行政区の2012年行政長官選出方法改正案を承認し、2012年立法会選出方法と表決手続き改正案の届出を受理した。第七に、香港特別行政区の終審裁判所の裁判官と高等裁判所の首席裁判官の任命あるいは罷免についての届出を受理する、などなど。そのほかにも、香港基本法と全国人民代表大会の関連決議に基づいて、1997年7月1日香港基本法施行時に設立した全国人民代表大会常務委員会香港基本法委員会は、大陸部と香港のメンバーによって構成され、香港特別行政区の立法機関が制定した法律が基本法の中央が管理する事務および中央と香港特別行政区の関係にかかわる条項に合致しているかどうか、また付属文書3に列記された香港に適用する全国的法律の追加・削除、および基本法の解釈あるいは改正などの問題について、全国人民代表大会に対して意見を提供する責任を負う。
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