（九）民生の保障と改善に関わる活動に着実に取り組む。①より積極的な雇用政策を実施する。税収面からの雇用促進支援策を充実させ、大卒者の就職、起業を促す諸般の政策を実施し、未就業の大卒者向けの就業サービスにしっかりと取り組む。就職困難者に対する就職支援を強化し、生産能力過剰を解消するなかでリストラされた労働者の再就職に関する取り組みを行うと同時に、出稼ぎ労働者を対象とした職業技能訓練と公共就業サービスを強化する。末端組織の就業サービスの能力向上をはかる。②都市・農村の社会保障システムの整備を統一的計画に基づいて推し進める。一本化された都市・農村住民基本養老保険制度を確立し、企業定年退職者の基本養老年金の基準を引き上げる。都市・農村住民の基本医療保険制度の統合を加速し、医療保険金の水準を引き上げるほか、都市・農村住民の重大疾患保険事業や指定地以外での受診・治療などにかかった医療費の即時清算制度を推進する。都市と農村の最低生活保障制度を完全なものにし、臨時救済制度を全面的に確立する。社会保障の公共サービス能力を強化する。③社会諸事業の発展を加速する。バランスのとれた義務教育の発展を推進し、貧困地区における義務教育が手薄な学校の基本的運営条件を改善させ、出稼ぎ労働者に随伴して都市に移ってきた子供たちが平等に教育を受けられるよう取り組みを進め、重点大学において農村出身学生の募集枠を引き続き拡大する。就職を目的とする現代的職業教育体系の構築を加速する。2014年度は、一般大学の入学定員が698万人、大学院の入学定員が80万2000人、そのうち、全日制大学院の入学定員が63万2000人に上ると見込まれる。都市・農村の医療・公衆衛生サービス体系の充実化をはかり、公衆衛生に関わる突発的事件の応急対策と重大疾患予防・抑制対策の仕組みを完全なものにし、民間資本による医療機関の経営をサポートする。「単独両孩」（一人っ子であった夫婦に対し二人目の子どもを生むことを認める）政策の実施を推し進め、人口と計画出産へのサービス能力を高める。中国女性・児童事業発展要綱と国の貧困地区児童発展計画の実施に力を入れる。障害者向けのリハビリ・介護施設の建設を強化する。引き続き文化利民プロジェクトを実施し、報道・出版、ラジオ・テレビ、文学芸術などの公共文化事業と文化産業の発展を加速し、文化・自然遺産の保護･利用を強化する。哲学・社会科学の繁栄と発展に取り組む。観光関連のインフラ整備と条件の改善を行い、赤色（革命聖地）観光を積極的に発展させる。全国民による健康増進活動の公共サービス体系の確立、健全化をはかる。④住宅保障と不動産市場へのコントロールに着実に力を入れる。種類別に指導し、段取りを追って実施し、行政レベルごとに責任を分担するという方針を堅持し、中・低所得層の基本的な住宅問題の解決を急ぐ。都市部の保障タイプ住宅の建設、バラック地区の再開発、農村の老朽家屋の改修を引き続き行うとともに、関連インフラ整備への支援にもいっそう力を入れ、安価賃貸住宅と公共賃貸住宅の一本化に向けた作業を推し進め、住宅の分配や運営、メンテナンスなどの後続管理を強化する。不動産市場のコントロールに関する政策を確実に実施し、不動産市場の健全な発展に資する長期的かつ効果的な仕組みづくりを推進する。⑤社会統治(ソーシャル・ガバナンス)と公共サービスの方式を刷新する。末端部で公共サービス資源を統合し、総合サービス・管理のプラットホームを健全化し、政府がオープンで透明度の高い手続きにしたがって民間からサービスを購入するよう促す。大衆の利益を損ねる行為については断固是正する。

引き続き大陸部と香港・澳門との経済・貿易緊密化協定（CEPA）の実施を促し、大陸部と香港・澳門とのサービス貿易の自由化を速いペースで進めていく。香港の経済発展をサポートし、大陸部と香港との経済協力を強化するうえで中央が打ち出した関連の政策措置を確実に実施し、香港の経済発展と民生の改善を促す。澳門の世界的な観光・リゾート地づくりを支援し、珠海市の横琴の開発・整備を契機として、澳門が適度に多元化した経済発展を遂げるようにする。両岸の経済関係の制度化を加速させ、海峡両岸経済協力枠組協定（ECFA）をめぐる後続協議をいち早く完了させ、両岸間の経済・貿易協力と産業提携のレベルアップをはかる。

代表のみなさん、2014年度の経済・社会発展の諸活動を首尾よく進める任務は厳しく、責任も重い。われわれは習近平同志を総書記とする党中央の下でさらにしっかりと団結し、中国の特色ある社会主義の偉大な旗印を高く掲げ、鄧小平理論、｢三つの代表｣重要思想、科学的発展観を導きとして、自ら進んで全国人民代表大会の監督を受けるとともに、全国政治協商会議の意見と提言に謙虚に耳を傾け、自信を固め、精神を奮い立たせ、開拓と革新に励み、難関攻略に立ち向かい、経済の持続的で健全な発展と社会の調和・安定を促そうではないか。