(八)エコ文明建設を着実に推進する。①制度上の保障を強化する。エコ文明建設のさらなる推進と気候変動の対応強化に関する政策を検討し、関連文書の作成に取り組む。エコ文明に関する先行的モデル事業を繰り広げるとともに、生態補償の仕組みの確立、健全化をはかる。汚染者負担(PPP)・鉱産資源開発補償制度、生態環境保護に関する責任追及制度と環境損害賠償制度を完全なものにする。生態系の管理・規制における警戒ライン制度と企業を対象とした環境保護信用評価制度を確立する。②省エネ・排出削減を力強く推進する。省エネ・排出削減目標についての責任制と問責制を強化し、エネルギーの総消費量と消費率の「二つの抑制」の実態に対する査定を進める。省エネ・排出削減重点プロジェクトを実施し、工業や建築、交通、公共機構などの重点分野における省エネ・排出削減への取り組みとそれに対する監督・管理を強化し、1万社の企業を対象とする省エネ・低炭素化キャンペーンを徹底的に繰り広げ、エネルギーを大量に使用する重点企業・事業体のエネルギー消費の状況を把握するオンライン・モニタリングシステムの整備を速める。トップランナー方式の導入を開始し、政府が投資した公益的建築物や建築面積2万平方メートル以上の公共建築物に対してグリーン建築基準を強制的に適用する。省エネ・環境保護産業の発展促進に関する意見を貫徹・実行する。省エネ・排出削減科学技術特別キャンペーンを推し進めるとともに、全国民による省エネ・排出削減キャンペーンを続けていく。③循環型経済を大いに発展させる。循環型経済戦略と近い将来における行動計画を確実に実施に移す。循環型経済のモデル都市(県)づくりを繰り広げ、産業パーク(ゾーン)の循環型化につながる改良をしっかりと行い、再生可能資源のリサイクルの産業化を加速する。引き続き国家「都市鉱山」(都市家電ゴミの中に存在するレアメタル等のリサイクル)モデル基地の整備や、生ゴミの再資源化と無害化処理の試行作業を進め、資源総合利用「双百プロジェクト」(資源総合利用のモデル基地100ヵ所と中堅企業100社の育成)の第2期目計画を実施し、食糧・綿花の主要生産区におけるワラの総合的利用を推進する。鉱業開発の秩序を整頓し、グリーン鉱業を発展させる。海水の淡水化のモデル事業を展開する。④環境対策とエコ建設にしっかりと取り組む。大気汚染防止・除去行動計画の実施にいっそう力を入れ、微小粒子状物質(PM2.5)・吸入性粒子状物質(PM10)対策を突破口として、京津冀(北京・天津・河北)、長江デルタ、珠江デルタなどの諸地域を重点に地域間の共同予防・抑制を強化するとともに、脱硫・脱硝・集塵の技術改良や石油精製企業のグレードアップ・改造を奨励する経済政策を充実させる。引き続き重点流域・地域における水環境の総合対策を推し進め、きれいな水を取り戻すための行動計画を策定・実施する。土壌汚染対策を強化する。都市部における汚水・ゴミ処理施設などのプロジェクト建設を加速する。森林・草原資源の保護と整備を行い、北京・天津周辺の風砂発生源地区や、カルスト地域の石漠化、黄土高原・チベット高原など重点地域の総合対策の実施を推進する。クリーンな生産を全面的に押し広めていく。⑤気候変動対策に関わる諸般の活動にしっかり取り組む。低炭素省・自治区や低炭素都市、低炭素産業パーク、低炭素コミュニティーなどのモデル事業をいっそう推し進めるとともに、全国の温室効果ガス排出権取引市場と温室効果ガス排出量の統計・算定システムの確立を検討し、気候変動に対応する能力の向上に力を入れる。国の気候変動対応戦略を徹底化する。気候変動対策をめぐる国際的な話し合いに建設的な姿勢で参加するとともに、気候変動対応面での国際交流と実務的な協力を引き続き行う。
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