互恵・ウィンウィンの開放戦略を踏み込んで実施し、開放の次元と水準を向上させる。①輸出入構造の適正化をはかる。これまでの輸出面での優位性を強固なものにするとともに、大型プラントや装備が関連業種とサービスの輸出を牽引する役割を発揮させ、信用保険、貿易金融などへの支援を強化する。加工貿易の形態転換・高度化を促し、貿易摩擦に適切に対処する。国内で不足している技術や資源、製品の輸入を増やす。サービス貿易を鋭意発展させる。②外商投資の市場参入基準の緩和をはかる。外商投資管理体制の改革を深化させ、外商投資に対する参入前の内国民待遇とネガティブリストによる管理方式の導入を模索する。金融、教育、文化、医療衛生などサービス業の秩序ある開放を加速させるほか、中国(上海)自由貿易試験区において先行的試行作業を進める。外資の安全性に対する審査制度を完全なものにする。2014年度の金融分野以外の外商直接投資額は3.5%増の1217億ドルに達すると見込まれる。③条件の整った企業の海外展開の加速化を後押しする。海外投資支援政策を充実させるとともに、外貨管理の見直し・簡略化を行い、外貨準備を効果的に利用して海外投資を支援する。また、海外におけるエネルギー資源と農業の開発・協力・投資を掘り下げて進め、比較優位産業が海外へ出て行くよう導く。2014年度の金融分野以外の海外直接投資額は10%増の992億ドルに達すると見込まれる。④多国間・二国間および地域間の経済協力を強化する。内陸部と辺境地区の開放を拡大し、内陸部における国際的な通路の整備を統一的計画に基づいて推し進める。「シルクロード経済ベルト」、「21世紀・海のシルクロード」の整備のほか、「バングラデシュ・中国・インド・ミャンマー経済回廊」と「中国・パキスタン経済回廊」の整備も積極的に推し進め、周辺諸国とのインフラの相互連結を強化する。また、中国・韓国、中国・オーストラリアなど二国間の重要自由貿易区設立に向けた話し合いや地域間の全面的な経済パートナーシップを引き続き促していく。
(二)内需の拡大に力を入れる。消費の潜在力を十分に喚起させる。2014年度の社会消費財小売総額は14.5%伸びると見込まれる。①住民の消費能力を高める。国民所得分配の枠組みを適正化するために、所得分配制度改革の深化に関する実施細則の施行を急ぎ、都市・農村住民、特に低所得者層の収入増に努める。②新たな消費ホットスポットの育成・発展に力を入れて取り組む。「ブロードバンド中国」戦略を実施し、4G移動通信網の整備と関連業務の発展を後押しし、「三網融合」(通信網・有線テレビ網・インターネットの融合)を普及させ、電子商取引のモデル都市づくりを進めるとともに、モノのインターネットの応用を拡大し、情報関連の消費を促す。引き続き省エネ製品利民プロジェクトを実施し、省エネ・環境保護と再生製品の消費を促進する。民間資本による養老・健康関連サービス機構の設立をバックアップし、養老、健康などに関連するサービス消費を積極的に発展させる。文化創造やデザインサービスと関連産業の融合的発展の促進および観光・旅行分野の消費喚起についてのマニュアルを公布し、有給休暇制度の徹底化にしっかりと取り組むことにより、文化、観光・旅行、スポーツなどの分野の消費の健全な発展を推し進める。③消費環境を最適化する。都市・農村部における流通網の健全化をはかり、都市における共同集配送と農村における配送の発展を加速させ、宅配産業とインターネット通信販売産業が歩調を合わせて発展するよう促す。食品・医薬品を対象とした最も厳格な監督・管理制度を確立してそれを完全なものにするとともに、食品安全・安心プロジェクトを推進し、乳幼児向け配合粉ミルク、肉製品をはじめとする重点業種の総合対策にしっかりと取り組んでいく。そして、市場秩序の整頓と規範化に力を注ぎ、法律に基づいてニセモノ・粗悪品の製造・販売、価格詐欺などの不法行為を断固取り締まる。また、社会の信用調査体系の確立、健全化をはかり、信用情報の共有化を推し進める。
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