中央の「八項目規定」の精神を全面的に貫き、大衆路線教育実践活動を繰り広げ、「四つの気風」(形式主義・官僚主義・享楽主義・贅沢浪費の風潮)に断固反対し、「法三章」(守るべき三つの約束事、27ページを参照)を厳格に履行した。中央の政府機関の「三公」経費(海外出張費・公務接待費・公用車経費)は35%減少し、31の省級政府の公務接待費も26%減った。廉潔政治建設と反腐敗の取り組みを強化し、法律・規律を犯した腐敗分子たちを処罰した。
昨年はわが国の外交活動が新たな局面を切り開いた年である。習近平主席をはじめとする新指導部の面々は、20ヵ国・地域首脳会合(G20サミット)、アジア太平洋経済協力(APEC)非公式首脳会議、上海協力機構(SCO)首脳会議、ブリックス(BRICS)首脳会議、それに東アジア首脳会議・関連会議など、重要な多国間活動に出席し、多くの国々を訪問し、多大な成果をあげた。周辺諸国との外交活動は新たな段階に入った。経済外交も新たな進展を見せた。発展途上国との交流・協力が新たなレベルに高まり、主要国との関係が互いに影響し合う中で安定的に発展し、国際的・地域的な重要課題や重大問題への取り組みにおいて責任ある大国としての役割を果たした。国の領土主権と海洋権益を断固として守った。わが国の国際的影響力はさらに高まった。
代表のみなさん
以上に述べたこの一年間の成果を収めるのは容易なことではなかった。これは、習近平同志を総書記とする党中央が正しい指導を行ったたまものであり、全党・全軍・全国各民族人民が団結奮闘したたまものである。わたくしは国務院を代表して、全国各民族人民、民主諸党派、各人民団体ならびに各界の方々に対して、心から感謝の意を表すものである。また、香港特別行政区の同胞、澳門(マカオ)特別行政区の同胞、台湾の同胞ならびに海外華僑同胞に対して、心から感謝の意を表すものである。そして、中国の現代化建設事業に関心を寄せ、お力添えしてくださった各国の政府、国際機関ならびに各国の友人のみなさんに対して、心から感謝の意を表すものである。
昨年の政府活動で有効だった思考法と方法は、今後の実践においても引き続き堅持し、模索を重ねて、どんどん完全なものにしていかなければならない。一方でわれわれは、行く手に依然として多くの困難や問題が存在していることもはっきりと認識している。その主なものを以下に挙げる。◇経済は安定を保ちつつ上向きに推移していくうえでの土台がまだ固まっておらず、成長の内生的原動力の増強がなおも待たれている。◇財政・金融などの分野になおもいくつかのリスク要因が存在し、一部業種の生産能力過剰が深刻で、マクロコントロールが難しさを増している。◇農業生産を増やして農民の収入増をはかることがますます難しくなってきている。◇一部の地域で大気・水・土壌等の汚染が深刻で、省エネ・排出削減の任務が極めて重くなっている。◇雇用をめぐる構造的矛盾がかなり大きくなっている。◇住宅、食品・医薬品安全、医療・衛生、養老、教育、所得分配、土地収用・家屋立退き、社会治安などの面で大衆が不満をもつ問題が依然としてかなり多く、労働の安全をめぐる重大・特別重大事故が頻発している。◇社会信用体系が整っていない。◇腐敗問題が発生しやすい分野や多発している分野があり、公職者の汚職や職務怠慢が依然として見られる。以上の問題には、発展の過程で発生したものもあれば、取り組み不足が招いたものもある。存在する問題に対して、政府はまず自らに原因がないか確認し、対策を講じなければならない。大衆の望むところこそが、われわれの施政の方向である。責任と使命を心に刻み、危機感を強め、果敢に取り組み、絶対に気を緩めず、問題を着実かつ効果的に解決し、人民の厚い期待に決して背かないようにしなければならない。
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