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中国の武装力の多様な運用

 

社会の安定を守る

中国の武装力は、法律や法規に基づき社会秩序の維持、テロ活動の防止・取り締まりに参加している。武装警察部隊は、国が公共の突発事件を処理し、社会の安定を維持するための中核であり突撃力である。2009年8月に公布・施行された「中華人民共和国人民武装警察法」は、武装警察部隊が保安任務を遂行する際の範囲や措置、保障方法を明らかにしている。武装警察部隊は、機動兵力を主体とし、勤務部隊からの抽出編成兵力を補いとし、警種部隊(金鉱・森林・水道電気の供給・交通などを守る武装警察部隊)と軍事大学の兵力の支援に頼るという突発事件処理・治安維持のための仕組みを構築し、国レベルの反テロ隊、省レベルの特殊勤務中隊、市レベルの特殊勤務小隊、県レベルの緊急対応分隊を主体とする4段階の反テロシステムを整えている。重要行事の保安勤務をしっかり行い、現場警備、入場者の安全検査、重要目標の守備、要路における検問所の設置、都市部における武装パトロールなどの任務を厳格に遂行している。2011‖2012年、さまざまな突発事件に効果的に対応、処理し、公安機関に協力していくつかの暴力テロ事件の処理に成功し、人質誘拐など重大暴力犯罪事件68件の処理に参加し、人質62人を救出した。前後して第26回夏季ユニバーシアード大会、中国・アジア欧州博覧会、上海協力機構北京サミットなどの重要行事の保安任務を完遂し、兵力延べ160余万人を投入した。

人民解放軍は、関連部隊を派遣して公安、武装警察部隊の重要行事に対する保安任務遂行に協力している。陸軍は主にテロ活動の防止、核、化学兵器、生物兵器、爆発物の検査、医療救援などの任務を担い、海軍は主に水域の安全面における潜在的危険の排除、海上テロ活動の防止などの任務を担い、空軍は主に重要行事の開催地およびその周辺地域の上空の安全確保などの任務を担っている。ここ数年来、人民解放軍は前後して北京オリンピック、建国60周年祝賀式典、上海万博、広州アジア競技大会などの重要行事の保安行動に参加し、兵力延べ14万5000人、航空機やヘリコプター365機、艦船148隻、レーダー554基を出動させた。 民兵は社会の安定を守るうえでの重要な力であり、法律の規定に基づき社会秩序の維持に協力し、地方の党委員会や政府の統一的配置と軍事機関の指揮の下で、共同治安防衛、社会管理総合対策の実施、重要行事の保安などの行動に参加している。毎年9万人以上の民兵が橋梁やトンネル、鉄道線路などの警備にあたっている。

香港駐屯部隊、澳門(マカオ)駐屯部隊は、中央人民政府が香港特別行政区、澳門特別行政区に派遣駐屯させている部隊であり、法律に基づき安全保障の職責を履行している。香港特別行政区駐軍法、澳門特別行政区駐軍法の定めによれば、特区政府は必要時に中央人民政府に社会治安維持や災害救助における駐屯軍の協力を要請することができる。香港駐屯部隊、澳門駐屯部隊は適時に海と空からの合同パトロールと年度演習・訓練を行い、特区政府が実施した、海上での航空機事故発生時の捜索救助の合同訓練に参加し、北京オリンピックの香港競技会場および香港返還祝賀式典と澳門返還祝賀式典における保安任務をりっぱになし遂げた。

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