(五)検察機関の法律監督を強化する
人民検察院は国の法律監督機関として、捜査、裁判、執行などの司法活動に対して法律監督を行う。中国は司法権に対する監督・チェックの強化を改革の重点とし、法律監督の強化に関する一連の措置を講じた。
捜査機関の立件、捜査活動に対する法律監督を強化する。人民検察院、公安機関は刑事案件情報通報制度と共有プラットホームを確立し、審査・逮捕許可、投書や陳情の受付、当事者による訴え、世論、メディア報道などのルートを通じて、捜査機関が立件すべきなのに立件せず、あるいは立件すべきでないのに立件するといった例について、速やかにその手がかりを発見しかつ法に基づいて審査、処理する。人民検察院が通報、告訴、告発を受けたり、あるいは捜査関係者が違法な手段で証拠集めをしていることを発見した場合、裏付け調査のうえで是正意見を提出し、同時に審査・逮捕、勾留期限の延長や再計算などのプロセスに対しての監督を強化する。2011年、全国の検察機関は合計1万9786件を監督立件し、捜査中の違法な情況に対して延べ3万9432件の是正意見を提出した。
法院の裁判活動に対する法律監督を強化する。すでに法的に効力の発生した刑事、民事、行政事件の判決、裁定、仲裁に対して、それが確かに間違っていると判断したり、国の利益や公共の利益を損なうことが分かった場合、あるいは法定手続きに違反しており司法の公正に影響する恐れなどがある場合、検察機関は上訴あるいは検察提言提出などの監督措置をとることができる。人民法院は検察提言を受けてから1カ月以内に処理または文書による回答をしなければならない。
刑罰執行と収監業務に対する法律監督を強化する。留置場や刑務所内で発生した少数の悪性事件で暴露された問題に対して、検察機関は速やかに関係部門と共同して、全国の留置場の収監・法執行に対する特別検査、および全国の刑務所での「事故発生リスクを徹底調査し、安全な収監を促進する」特別プログラムを展開し、法に依拠した文明的な収監を進めている。収監場所には検察室の設立を規範化、整備し、収監場所の法執行情報のネットワーク化と監視制御のネットワーク化を推し進め、勾留検察、巡視検察などの業務のしくみを整備、実行し、収監場所に対しての監督を強化する。減刑、仮釈放、暫定刑務所外服役に対しての監督を強化し、刑罰の変更執行に並行した監督システムの確立を検討し、保釈入院、留置場の刑具と監禁の使用状況に対しての特別審査を展開する。2012年、改正後の刑事訴訟法は、刑務所、留置場などの執行機関が人民法院に減刑、仮釈放、暫定刑務所外服役の提案あるいは書面意見を提出する場合、提案書あるいは書面意見の副本を人民検察院に送るものとし、人民検察院は人民法院に書面意見を提出することができるとしている。
司法関係者の汚職行為に対する監督を強化する。検察機関は、司法関係者が情実にとらわれて法をまげるなどの12種の汚職行為に対して、検察機関は違法事実を裏付け調査したうえで、違法行為の是正意見を出し、案件担当者の更迭を提言するなどの監督措置をとることができ、汚職行為に対して法に基づき懲罰を加え、司法の廉潔と公正を守る。
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