（五）被勾留者の合法的権益を保障する

留置場は中国で法によって逮捕され、刑事事件で拘束された被疑者、被告人の刑事勾留機構である。被勾留者の合法的権益を法によって保障することは、留置場の文明、規範的な法執行レベルを高める重要な一面であり、また人権を保障する現実的な必要でもある。

中国は留置場の監視・管理レベルの改善を非常に重視し、拷問による自白強要と勾留期限超過を厳格に防止し、勾留と監視・管理の条件を整備し、被勾留者の生活条件を改善し、非勾留者の合法的権益を保障する。被勾留者が留置場に移送された後7日間は毎日体表検査をしなければならない。被勾留者の取り調べの前後、留置場外に連れて行く時と送還される時に、体表検査を厳格に行わなければならない。被勾留者の単独ベッド制を逐次実行し、留置場の医療サービスの社会化を推し進め、被勾留者の疾病は速やかに治療できるようにする。被勾留者の苦情と調査のしくみを整備し、被勾留者が警察官、留置場責任者、留置場駐在検察官と予約接見できる制度を確立し、被勾留者の苦情、告訴を速やかに受理、調査し処理するべきである。被勾留者の勾留期限満了が近づくと、留置場は書面で留置場駐在検察室に報告し、検察室は捜査機関が被勾留者を期限通りに釈放するか強制措置を変更するかについて監督する。2008～2011年、全国の検察機関は監督・検査を通じて、留置場の5473人に対する不法勾留を是正した。「牢名主」の取り締まり、防止に力を入れ、すべての監房に通報装置が設置され、被勾留者が危害を受けたらすぐ通報できるようにする。被勾留者の留置場を出てからの談話と追跡観察・面談制度を実行し、留置場の「牢名主」などの違法行為が存在するかどうかを調査する。主管警察と協力警察の監房管理責任制を実行し、管理の散漫によって「牢名主」がその他の被勾留者を死亡や重傷に至らせた場合、法や規律に基づき関係者の責任を追究しなければならない。特任監督員が留置場を巡回検査監督する制度を確立し、特任監督員は執務期間中、事前告知なしで留置場の職責履行、法執行管理などの活動に対して監督することができる。2010年、留置場で発生した事故の数は前年比31.6％低下した。全国の留置場で被勾留者ビデオ接見制度を推し進め、家族の面会にも役立っている。被勾留者に対しての安全リスク評価と区別管理制度を確立し、被勾留者に対しての心理的関与を強化する。「教育、感化、救済」という活動方針を堅持し、管理で教育を促進し、教育を管理の中に取り入れ、被勾留者の人間性に対する配慮を十分に体現し、積極的な人生への信念と健康で文明的な生活方式を再建できるように支援する。