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中国のエネルギー政策

五、化石エネルギーのクリーンな発展を推進する

世界的に見て、今後かなり長期間にわたって、石炭、石油などの化石エネルギーは依然としてエネルギー供給の主体であり、中国も例外ではない。中国は化石エネルギーの開発利用と環境保全を統一的に計画し、先進的生産能力の建設を加速し、立ち後れた生産能力を淘汰し、化石エネルギーのクリーンな発展の推進に力を入れ、生態環境を保全し、気候変動に対応し、省エネ・排出削減を実現していく。

――石炭を安全かつ高効率に開発する。中国の石炭産業は科学的配置、集約的開発、安全生産、高効率の利用、環境保全という発展方針を堅持している。東部を抑制し、中部を安定させ、西部を発展させる原則によって、陝西省北部、黄隴、神東など14の大型石炭基地の建設を推し進めている。石炭資源の統合と炭鉱企業の合併・再編を実施し、大型石炭企業グループを発展させる。大型の現代化露天炭鉱と超大型立て坑を優先的に建設する。炭鉱の高度化改造と立ち後れた生産能力の淘汰を実施し、石炭採掘の機械化の度合と安全生産レベルを高める。鉱区の循環経済の発展に力を入れ、石炭の洗鉱・選鉱の比率を拡大し、石炭の随伴資源を合理的に開発する。エネルギー集約、技術集約、資金集約、長い産業チェーン、高付加値への発展方向付けによって、石炭精細加工をグレードアップするモデルプロジェクトを秩序立てて建設する。低品位石炭のクリーンな利用と加工・転化プロジェクトの建設を奨励する。石炭鉱区の環境保全と生態建設を強化し、石炭採掘による地盤沈下地域と影響地域の生態総合整備、土地の耕作回復をきちんと成し遂げる。

――火力発電をクリーン、高効率に発展させる。中国は低炭素、クリーン、高効率の原則を堅持し、環境に優しい火力発電の発展に力を入れている。石炭・電力の一体化開発を奨励し、大型石炭・電力基地の建設を着実に推し進めている。超臨界(SC)、超々臨界(USC)などの先進的発電技術を積極的に応用し、クリーン、高効率の石炭燃焼発電ユニットと省エネ・エコ発電所を建設する。エネルギー消費が高く、汚染がひどい小型火力発電ユニットを引き続き淘汰し、石炭燃焼発電所の汚染物の排出を厳格に抑制し、新設された石炭燃焼発電ユニットには除塵、脱硫、脱硝施設を同時設置し、既存発電所の排ガスの除塵、脱硫、脱硝の改造を加速する。大中都市と工業パークなど熱負荷の集中する地域でコジェネレーションユニットの建設を奨励する。条件の許す地域では燃料ガス・水蒸気の共同循環によるピークシフトユニットを合理的に建設し、天然ガスの冷却熱電併給(CCHP)を積極的に推し進める。環渤海、長江デルタ、珠江デルタ地域で「小型火力発電所の閉鎖と大型発電所の建設をリンクさせること」とコジェネレーション以外の石炭燃焼ユニットの新設を厳格に抑制する。火力発電所の節水技術の普及と応用を強化する。トータルなガス化共同循環発電、炭素の回収利用と貯留などの技術応用モデルプロジェクトを展開する。

――在来型石油・天然ガス資源の探査・開発の力を強化する。中国は石油と天然ガスを並行開発する方針を引き続きとり、東部を安定させ、西部を加速させ、南方を発展させ、海域を開発する。原油の備蓄増加と安定生産を推進し、タリム盆地、オルドス盆地などの重点石油生産地域の探査・開発を着実に推し進める。老朽油田の安定生産と改造を強化し、採収率を引き上げる。天然ガスの発展を加速させ、中西部地域の主力ガス田の生産能力の建設を増強し、主力ガス田の増産をしっかり行い、海上石油・天然ガス田の探査・開発に力を入れ、一次エネルギーの構造に占める天然ガスの比率を逐次高める。石油精製産業の配置を最適化し、いくつかの大型石油精製基地を建設して、環渤海、長江デルタ、珠江デルタの三大石油精製産業集中区を形成させ、川上と川下の一体化、石油精製と化学工業の一体化、石油精製と備蓄の一体化といった集約的な発展を実現する。

――非在来型石油・天然ガス資源の開発・利用を積極的に推し進める。非在来型石油・天然ガス資源の探査・開発を加速することは、中国のエネルギー安定供給能力を強化するための重要な手段である。中国は炭層ガスの探査・開発を速め、探査済みの地質埋蔵量を増やし、沁水盆地、オルドス盆地東部周辺などの炭層ガス産業化基地の建設を推し進める。シェールガスの探査・開発に力を入れ、一部のシェールガスの長期的目標区と有利探査目標区を選ぶ。シェールガスの探査・開発の中核技術の難関突破を加速し、シェールガスの探査・開発の新しいメカニズムを確立し、産業への奨励政策を着実に実行し、関連するインフラを整備し、2015年までに全国の生産量を65億立方メートルにするという全体目標を達成し、シェールガスの将来における急速な発展のために確固たる基礎を築く。オイルシェール、オイルサンドなどの非在来型のオイルガス資源の探査・開発にさらに力を入れていく。

――エネルギーの貯蔵・輸送施設の建設を強化する。ターゲット市場、産業配置の調整、石炭発電、風力発電、原子力発電、天然ガス発電、揚水発電などの動力供給源の建設と輸入エネルギー、および資源地域の水と生態環境の負荷能力などの要素を総合的に考え、エネルギー輸送手段の建設を統一的に計画する。既存鉄道幹線の輸送力の向上・改造と新設鉄道の石炭輸送ルートの建設を加速し、地域に跨る石炭輸送力を高め、関連する港湾埠頭を建設する。「西電東送」(西部で発電した電力を東部に送る)、「北電南送」(北部で発電した電力を南部に送る)の規模をさらに拡大し、地域の主幹電力網を完全なものにし、超高電圧などの先進的送電技術を発展させ、電力網資源を最適配置する能力を高める。原油、製品石油、天然ガスの幹線パイプライン網の建設を強化し、石油・天然ガスのパイプライン輸送の比率を引き上げ、地域の輸送パイプライン網を整備し、沿海大型石油・天然ガスの積卸ステーションを建設する。石油・天然ガスパイプラインの安全運行を確保するため、石油・天然ガスパイプラインの保護に関する法律・法規を厳格に実行する。資源備蓄と国家備蓄、商業備蓄を統一的に計画し、緊急対応保障能力の確立に力を入れ、原油、製品石油、天然ガス、石炭備蓄体制を完全なものにする。天然ガスのピークシフト能力を高める。石炭のピークシフト備蓄を確立し整備する。

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