八、エネルギー体制の改革を深める
改革は発展パターンの転換を速めるための強大な原動力である。中国はエネルギー分野の改革を揺るぎなく推し進め、トップダウン設計と全体計画立案に取り組み、エネルギー資源の科学的発展にプラスとなる体制・しくみの確立を速め、エネルギー発展の環境を改善し、エネルギーの生産と利用方式の変革を進め、国のエネルギー安全保障を確保する。
――エネルギー法制の整備を加速させる。エネルギー資源に関する法制度を整備し、エネルギー市場の規範化、生態系の保護、エネルギー安全保障の維持のために法的保障を提供する。中国はエネルギーに関する法制度の構築を大いに重視し、積極的に推し進めており、現在、エネルギー法や石油備蓄、海上石油・天然ガスパイプラインの保護、原子力発電管理などについての行政法規の制定を検討、論証しており、『石炭法』『電力法』など現行の法律・法規を改正、整備し、石油・天然ガス、原子力などの分野の立法作業を進めている。
――市場の体制・しくみを健全なものにする。中国はエネルギーの市場化改革を推し進め、資源配置における市場の基礎的役割を十分に発揮させている。およそ国のエネルギー計画に取り上げられたプロジェクトは、法律・法規で禁止された項目を除き、すべて民間資本に開放される。民間資本がエネルギー資源の探査・開発、石油・天然ガスのパイプライン網整備、電力建設に参与することをサポートし、民間資本が石炭の加工・転化や石油精製産業を発展させることを奨励し、民間資本が新エネルギー産業と再生可能エネルギー産業に全面的に参入することを引き続き支援する。石炭の探査・開発権の管理を強化し、規範化し、徐々に重点契約の発電用石炭と市場に供給された石炭の二重価格制を撤廃し、石炭と炭層ガスのバランスのとれた発展のしくみを整備する。電力体制の改革を深め、一部の地域で送電と配電の分離を試行する。電力価格の改革を推し進め、発電価格と売電価格は市場が決定し、送配電の価格は政府が定めるといったしくみを徐々に構築する。石炭と電力の価格関係を合理化する。再生可能エネルギーの割当取引制度などを模索し、確立する。石油製品価格と公租公課連動の改革を成功裏に実施し、税徴収の運用によりエネルギー消費を合理的に導く。石油製品の価格形成のしくみをたえず調整・整備し、天然ガスの価格形成のしくみについて改革を試行する。エネルギーの市場システムを整備し、現物や長期契約、先物などの取引形態を発展させる。
――エネルギー産業の管理を強化する。エネルギー資源の開発利用効率を向上させ、エネルギー業界の科学的発展を促し、国のエネルギー安全保障を確保するために、エネルギー業界の管理を強化しなければならない。エネルギー発展の戦略計画とマクロコントロールを重視し、計画、政策、基準などの手段を総合的に運用して業界管理を実施する。ミクロ業務への政府の介入を減らし、行政許認可手続きの簡素化をはかる。独占行為と不正競争行為に対する監督管理に力を入れ、オープンで、公平で、科学的かつ効果的な監督管理システムを確立する。エネルギーの統計・予測管理を強化し、エネルギーの統計・監視・予測・警報システムを健全化する。
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