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文献資料  
国民経済・社会発展計画に関する報告

 

代表のみなさん

  ここに国務院の委託を受けて、二〇〇七年度国民経済・社会発展計画の執行状況と二〇〇八年度国民経済・社会発展計画案を第十一期全国人民代表大会第一回会議に報告し、審議を求めるとともに、全国政治協商会議の委員のみなさんからもご意見を求めたいと思う。

  一、二〇〇七年度の国民経済・社会発展計画の執行状況

  二〇〇七年、全国各民族人民は中国共産党の指導のもと、科学的発展観をつっ込んで貫轍、徹底させ、第十期全国人民代表大会第五回会議で審議、承認された国民経済・社会発展計画にもとづいて、マクロコントロールの強化と改善に取り組み、改革開放を鋭意推進し、経済の発展パターンの転換を加速したことにより、国民経済は、比較的速いテンポでの成長、構造の高度化、経済効率の向上、民生の改善といった好ましい傾向を保っており、計画の執行状況は全体として良好であった。

  (一)経済成長は質、効率ともに向上した。

  効率は引き続き大幅に上昇している。全国の歳入は五兆一三〇〇億元で、前年度より一兆二五〇〇億元多い三二・四%増となった。一月から一一月まで、一定規模以上の工業企業は二兆二九五一億元の収益を達成し、三六・七%伸びた。単位GDP(国内総生産)当たりのエネルギー消費量の削減状況は昨年に比べて著しく好転し、通年で三・二七%減少し、一万元当たりの工業付加価値の水使用量は九・五%減少した。二酸化硫黄と化学的酸素要求量(COD)の排出量はそれぞれ四・六六%、三・一四%下がり、ここ数年来初めての「ダブルダウン」となった。耕地の激減には一応歯止めがかかった。

  




  



  




  



  




  



  経済成長の協調性はさらに改善された。経済成長を促進する消費の役割が強まってきており、通年の社会消費財小売総額は一六・八%増の八兆九二一〇億元に上り、消費の伸び率と投資の伸び率との格差は二・二ポイント縮小した。消費、投資と純輸出は、経済成長率をそれぞれ四・五ポイント、四・四ポイントと二・五ポイント押し上げ、消費の寄与度は七年来初めて投資を上回った。第一次、第二次、第三次産業は着実に成長し、それぞれ三・七%、一三・四%、一一・四%増加した。第三次産業の伸び率は前年比〇・六ポイント上昇し、第二次産業の前年比の上昇幅よりも〇・二ポイント高い。地域的発展の均衡性は引き続き改善され、中西部地区における経済・社会発展のテンポが明らかに速まり、地域間の生産要素の流動には良性的な相互作用というよい傾向がみられた。

  通年のGDPは二四兆六六一九億元で、一一・四%伸びた。この五年間のGDP成長率は年度別にみても大きな変動がなく、毎年四半期ごとの変動幅も一ポイント前後であった。

  (二)新農村建設は新たな進展をみせた。

  農業支援への投入は大幅に増加した。「三農」に充てた中央財政の支出は四三一八億元で、前年度より八〇一億元増えた。そのうち、農村建設に振り向けた中央の建設投資は六四六億元に達し、四八%の割合を占めるようになった。農村では用水、ガス、道路、電気など生産・生活面の諸条件が明らかに改善されている。新たに三一五二万人の農村人口の飲用水安全問題が解決され、メタガス利用農家は四五〇万世帯増加し、農村自動車道路の新規建設または改造距離数は一二万キロとなり、中西部地区における農村送電網の改造および無電化地域の送配電施設の整備が順調に進められている。農地水利インフラ施設の建設は引き続き強化されている。大型灌漑区における関連施設の再建設・節水改良や、水利用の効率化を目指す節水灌漑モデル、中部地区における大型排水ポンプ場の更新・改造、また老朽化した危険なダムの修繕・補強工事などで新しい進展をとげた。

  主要農産物の生産高は着実に伸びている。穀物は再度豊作となり、年間総生産高が五億一五〇万トンで、四年連続の増産を実現した。綿花と製糖作物の生産高はともに史上最高の記録をあげ、それぞれ七六〇万トンと一億一一一〇万トンに上った。豚生産の発展促進と市場供給の安定化および乳業の持続的かつ健全な発展の促進に関する意見を制定し、豚生産の落ち込みの傾向を逆転させた。通年の肉類と水産物の生産高はそれぞれ六八〇〇万トンと四七三七万トンであった。

  現代農業の建設は積極的に推し進められている。大型商品化食糧生産基地と良質食糧産業プロジェクトの整備が強化され、栽培・飼育・養殖業優良品種プロジェクトの実施が加速され、農産物品質安全検査測定システム、動物疫病予防システムと植被保護プロジェクトの整備が一段と強められた。無公害農産物、グリーン食品、有機食品と農業の標準化生産など諸分野の進捗が速まり、農業優良品種のカバー率、単位生産量および農産物の品質がさらに向上した。優良小麦と優良稲の占める割合はそれぞれ六一・六%、七二・三%に達し、前年同期比六・四ポイント、三・二ポイント上昇した。家畜・家禽・水産物の優良品種の飼育・繁殖体系は一定の規模に達し、一群の国家レベルの家畜・家禽や水産物の原種場、改良品種場がつくられた。

  




  



  (三)経済構造の調整は新たな一歩を踏み出した。

  自主的創造革新能力は増強された。新しく改正された科学技術進歩法が公布、施行された。一六の国家重大特定科学技術プロジェクトはスムーズに進められ、知識イノベーション第三期プロジェクトは始動し、「八六三」と「九七三」などの国家科学技術計画の実施は速まっており、基礎研究、先端技術の研究と社会公益性のある技術の研究が強化された。ソフトウェアや集積回路、デジタルテレビ、バイオ、衛星応用、民用航空などの産業に関する政策を検討、制定した。二七の国家重点実験室を新設した。四項目の国家重大科学技術基盤施設、六つの国家工程実験室と九つの国家工程研究センターの整備をスタートさせ、一二四の国家認定企業技術センターのイノベーション能力の整備を支援した。クリーン生産、炭鉱の安全、省エネ・排出削減、資源の総合利用など産業技術の開発に関する重大特別プロジェクト及び新型フラットパネルディスプレイ、バイオ医薬など一一の国家ハイテク産業化に関する重大特別プロジェクトは順調に実施されている。わが国初の月面探査プロジェクトは円満な成功を収め、独自の知的財産権をもつローカル線用旅客機の第一号機はラインオフし、独自の知的財産権を有する第三世代移動体通信システム(TD-SCDMA)の試験網の構築は段階的な成果をあげた。GDPに占めるハイテク産業の付加価値の割合は七・八%に達し、昨年度より〇・一ポイント上昇した。

  工業構造の調整は著しい効果をあげた。良質製品と高付加価値製品の割合は高まった。工業新製品の生産額は三一・二%伸び、鋼材に占める鋼板・帯鋼の比率はさらに一・五ポイント上昇、新型乾式セメントの割合は五ポイント上昇した。新型船舶、大型原子力発電、大型風力発電、超高圧送変電などのプラントや装備の研究・開発は積極的な成果を収めた。エネルギーの大量消費と汚染物質の大量排出業種の新規参入審査を厳格にし、生産能力過剰業種の構造調整のプロセスも速まっている。鉱産物資源開発の統合事業は新たな成果を収めた。鉄鋼、非鉄金属、石炭、建材、自動車、繊維などの業種における企業の吸収合併・再編は一段と推進されており、首都製鉄所の移転と構造調整事業も積極的に進められている。安全生産、環境保護の条件が備わらず、資源を破壊する立ち遅れた生産能力を法に則って一部淘汰した。二〇〇七年には、一四三八万キロワットの小型火力発電設備を閉鎖、停止し、各種の小規模炭鉱を二三二二ヶ所閉鎖し、立ち遅れた製鉄生産能力、粗鋼生産能力及びセメント生産能力をそれぞれ四六五九万トン、三七四七万トン、五二〇〇万トン淘汰した。

  エネルギー、交通などの基盤産業とインフラ施設は長足の発展をとげた。原炭生産量は二五億四〇〇〇万トンで、六・九%増となった。新規発電設備容量は一億キロワット以上に達し、年間発電量は一四・四%伸びた。精製油の生産高は七・五%伸び、昨年に比べて伸び率が三・一ポイント上昇した。交通・輸送条件は引き続き改善され、自動車道路の新規建設距離数は一四万三五九五キロで、そのうち、高速道路は八〇五九キロとなり、全長約三万五〇〇〇キロの「五縦七横」(南北五本・東西七本)国道の主幹線がほぼ完成した。新規建設鉄道の開通距離数は六七八キロ、新規複線鉄道の開通距離数は四八〇キロ、電化鉄道の開通距離数は九三八キロである。港の一万トン級以上のバースの貨物取扱能力は四億三九一六万トン新たに増加した。民用空港を五ヶ所新設し、首都空港の拡張工事も完成した。重点物資の輸送はうまく確保されている。

  サービス業の発展は速まっている。サービス業の発展加速に関する若干の意見を公布し、国家サービス業発展資金の誘導的役割を発揮させ、サービス業の発展を全面的に促進した。サービス業は九兆六三二八億元の付加価値を達成した。一部の大中都市ではサービス経済を柱とする産業構造が初歩的に形成され、北京、上海、広州などの都市において、当該地区の総生産に占めるサービス業の付加価値の割合は五〇%に達するか、またはそれを上回った。サービス業の内的構造はいくらか改善され、現代サービス業は急速な発展の勢いを呈している。全国のインターネット利用者数は二億を超え、世界第二位を占め、オンラインによる商品・サービス購入額の総購入額に占める割合は一三%に達した。

  




  



  地域間の調和のとれた発展は良好な勢いをみせている。西部大開発に振り向けた中央の建設投資は通年で五五六億元に達し、昨年度より四一億元増えた。辺境地区、少数民族地区に対する政策面での扶助を強化した。西部地区では一〇項目の重点プロジェクトが新規着工し、一群の特色のある優位産業の開発基地と若干の有名・良質ブランドが生まれ、人材開発は著しい成果を収めた。東北地区では装備製造、原材料加工、農業・副業生産物加工などの産業が新たな様相を呈しており、重要業種・企業の再編、体制転換は加速し、資源型都市の経済パターン転換は初歩的な成果をあげ、採炭による地盤沈下区域の整備は急速に進み、バラック地区の改造面積は二七二〇万平方メートルに達した。中部地区の勃興促進に関する若干の意見の実施に取り組み、中部六省において東北振興と西部大開発を参照とした施策の実施範囲を定めた。その食糧生産基地の整備は新たな成果をあげ、エネルギー・原材料基地と現代装備製造基地の整備は絶えず強化され、総合的交通輸送センターの整備は大いに推進されている。東部地区における経済の発展パターンの転換は加速し、ハイテク産業や現代サービス業は急速な発展をとげ、装備製造、情報通信、バイオなどの産業の自主的創造革新能力は向上し、長江デルタ地帯、珠江デルタ地帯及び北京・天津・河北の三つの都市圏の凝集力と牽引力は着実に強まっている。 

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