二、エネルギーの発展戦略と目標
中国のエネルギー発展は節約の発展、清潔な発展、安全な発展を堅持する。発展を堅持することこそが正道であり、発展と改革の方法が前進する中で問題を解決する。科学的発展観を徹底的に実行し、人間本位を旨とし、発展観念を転換させ、発展パターンを革新し、発展の質を高める。科学技術レベルが高く、資源消費が低く、環境汚染が少なく、経済効果がよく、安全が保障されるエネルギー発展の道を歩むことを堅持し、エネルギーの全面的、調和のとれた、持続可能な発展を最大限に実現する。
中国のエネルギー発展は国内に立脚する基本方針と対外開放の基本国策を堅持し、国内エネルギーの安定的な成長によりエネルギーの安定供給を保障し、世界のエネルギーの共同発展を促進する。中国のエネルギー発展は世界各国にさらに多くの発展チャンスをもたらし、国際市場に広い発展空間をもたらし、世界のエネルギー安全と安定に積極的に貢献する。
中国のエネルギー戦略の基本内容は次の通りである。節約優先を堅持し、国内に立脚し、多元的に発展し、科学技術に依拠し、環境を保全し、国際互恵協力を強化し、安定的経済的で清潔、安全なエネルギー供給システムの構築に力を入れ、エネルギーの持続可能な発展により経済社会の持続可能な発展を支える。
――節約優先。中国は資源の節約を基本的な国策とし、エネルギー開発と節約をともに行うことを堅持し、節約を優先し、積極的に経済発展パターンを転換させ、産業構造を調整し、省エネ技術の開発を奨励し、省エネ製品を普及させ、エネルギーの管理レベルを高め、省エネ法規と基準を整備してエネルギー効率を引き続き高める。
――国内に立脚。中国は主として国内エネルギーの供給増大に依存し、国内供給能力の安全かつ着実な向上を通じて、日増しに増大するエネルギー市場の需要を引き続き満足させる。
――多元的な発展。中国は整然と秩序立てて石炭を発展させ、電力を積極的に発展させ、石油・天然ガスの発展を加速させ、炭層ガスの開発を奨励し、水力発電などの再生可能エネルギーの発展に力を入れ、原子力発電の建設を積極的に推し進め、代替エネルギーを科学的に発展させ、エネルギー構造の最適化を通じて、多種類のエネルギー相互補完を実現し、エネルギーの安定的な供給を保証する。
――科学技術に依拠。中国はエネルギー科学技術の進歩に依存し、自主的イノベーション能力を強化し、導入技術の消化・吸収とさらなる革新能力をアップさせ、エネルギー発展の技術的ネックを突破し、カギとなる技術や重要な装備の製造レベルを高め、エネルギー開発利用の新しいルートを切り開き、発展の後続力を強化する。
――環境保全。中国は資源節約型と環境友好型の社会の建設を目標とし、エネルギーと環境の調和のとれた発展を積極的に促進する。発展の中で保護を実現し、保護の中で発展を促進することを堅持し、持続可能な発展を実現する。
――互恵協力。中国のエネルギー発展は国内に立脚した基礎の上で、平等互恵と相互利益・ウィンウィン原則を堅持し、率直で実務的な態度で、国際エネルギー機構や世界各国とのエネルギー協力を強化し、協力メカニズムを積極的に充実させ、協力分野を拡大し、深化させ、国際エネルギーの安全と安定を擁護する。
中国共産党第17回全国代表大会は、発展パターンの転換を加速させ、構造の最適化、効率の向上、エネルギー消費の削減、環境保全をふまえて、2020年までに一人当たり国内総生産を2000年の4倍にすると提起した。『中華人民共和国国民経済と社会発展第11次五ヵ年計画綱要』は、2010年までに、国内総生産単位当たりエネルギー消費を2005年比20%前後下げ、主な汚染排出物の総量を10%下げると提起した。
経済社会の発展目標を実現するために、中国エネルギー発展第11次五ヵ年計画(以下は「十一・五」と略す)(2006~2010年)の目標は以下の通りである。「十一・五」期間末には、エネルギー供給が国民経済と社会発展の需要を基本的に満たし、省エネがはっきりと成果をあげ、エネルギー効率が明らかに向上し、構造がさらに一歩最適化され、技術が実質的な進歩をとげ、経済効果と市場競争力が著しく向上し、社会主義市場経済体制に適応したエネルギーのマクロコントロール、市場監督管理、法律・法規、早期警告応急システムとそのメカニズムがちくじ完全なものとなり、エネルギーは経済、社会、環境と調和のとれた発展をする。
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