第6章 監督管理
第59条 商業銀行は中国人民銀行の規定に従って、自行の業務規則を定め、自行の業務管理、現金管理及び安全警備制度を確立するものとする。
第60条 商業銀行は自行の預金、貸付け、決済、貸倒れなどの状況について点検、検査制度を確立するものとする。
商業銀行は分支機構に対して、恒常的な点検及び検査による監督を行うものとする。
第61条 商業銀行は定期的に中国人民銀行に貸借対照表、損益計算書その他の財務会計諸表及び資料を提出するものとする。
第62条 中国人民銀行は本法第3章、第4章、第5章の規定により、商業銀行の預金、貸付け、決済、貸倒れなどの状況について随時検査、監督を行う権限を有する。検査、監督に当たって、検査監督要員は適法な証明書類を呈示するものとする。商業銀行は中国人民銀行の要求に従って、財務会計資料、業務契約及び経営管理面のその他の情報を提供するものとする。
第63条 商業銀行は法により会計検査機関の会計検査による監督を受けるものとする。
第7章 接収管理及び終了
第64条 商業銀行で信用危機がすでに発生し、または発生する恐れがあり、預金者の利益に重大な影響が及ぶ際には、中国人民銀行は当該銀行を接収管理することができる。
接収管理の目的は接収管理される商業銀行に対し必要な措置を講じることによって、預金者の利益を守り、商業銀行の正常な経営能力を回復させることにある。接収管理される商業銀行の債権債務関係は、接収管理によっても変わらない。
第65条 接収管理は中国人民銀行が決定し、かつ実施させる。中国人民銀行による接収管理の決定には、次の各号に掲げる内容を記載するものとする。
1 接収管理される商業銀行の名称。
2 接収管理の理由。
3 接収管理組織。
4 接収管理期間。
接収管理の決定は中国人民銀行がこれを公告する。
第66条 接収管理は接収管理決定の実施の日から始まる。
接収管理開始の日から、接収管理組織が商業銀行の経営管理権限を行使する。
第67条 接収管理期間が満了したとき、中国人民銀行は延長を決定することができる。ただし接収管理期間は最長2年を超えることができない。
第68条 次の各号のいずれかに該当するときには、接収管理は終了する。
1 接収管理決定に定める期間が満了し、または中国人民銀行が決定した接収管理の延長期間が満了すること。
2 接収管理期間の満了以前に、当該商業銀行が正常な経営能力を回復していること。
3 接収管理期間の満了以前に、当該商業銀行が合併され、または法によって破産宣告されること。
第69条 商業銀行は分離、合併によりまたは定款に定める解散事由が生じて解散する必要があるときには、解散の理由及び預金の元金及び利息の支払いなどの債務完済計画を添付して、中国人民銀行に申請を出すものとし、中国人民銀行の認可を経て解散する。
商業銀行が解散するときには、法によって清算組を設け、清算を行い、完済計画に従って遅滞なく預金の元金及び利息などの債務を返済するものとする。中国人民銀行は清算の過程を監督する。
第70条 商業銀行が営業許可証取消しのために廃止されるときには、中国人民銀行は法により遅滞なく清算組を設けさせ、清算を行い、完済計画に従って預金の元金及び利息などの債務を遅滞なく返済させるものとする。
第71条 商業銀行が期限の来た債務の支払いができないときは、中国人民銀行の同意を得て、裁判所[人民法院]が法によって破産を宣告する。商業銀行が破産宣告されたときには、裁判所が中国人民銀行などの関係部門及び関係要員に清算組を設けさせ、清算を行わせる。
商業銀行の破産清算に当たっては、清算費用を支払い、従業員の未払い給与及び労働保険費用を支払った後、個人貯蓄性預金の元金及び利息を優先的に支払うものとする。
第72条 商業銀行は解散、廃止及び破産宣告によって終了する。
第8章 法的責任
第73条 商業銀行が次の各号のいずれかに該当し、預金者またはその他の顧客に財産上の損害を与えたときは、延滞利息の支払いその他の民事責任を負うものとする。
1 理由なく預金の元金及び利息の支払いを引き延ばし、拒否すること。
2 手形引受などの決済業務の規定に違反して、これを決済せず、受払い・記帳をせず、または伝票、手形を押さえ、若しくは規定に反して手形を戻すこと。
3 個人の貯蓄性預金または単位の預金について不法な照会、凍結、差引きの請求に応じること。
4 本法の規定に違反して、預金者または他の顧客に損害を与えるその他の行為。
第74条 商業銀行が次の各号のいずれかに該当する場合は、中国人民銀行が是正を命じ、違法所得があるときは、違法所得を没収し、違法所得の1倍以上5倍以下の罰金を併科し、違法所得がないときは、10万元以上50万元以下の罰金に処する。情状が特に重く、または期限を過ぎても是正しないときは、中国人民銀行が休業改善を命じ、または営業許可証を取り消すことができる。犯罪を構成するときは、法によって刑事責任を追及する。
1 認可を受けないで金融債を発行し、または海外で借入れをすること。
2 認可を受けないで公債を売買し、または外貨を売買、代理売買すること。
3 国内で信託投資及び株式業務に従事し、または自用に供する以外の不動産に投資すること。
4 国内の銀行以外の金融機関及び企業に投資すること。
5 関係者に信用貸付けをし、または他の借入者の同種貸付けよりもよい条件で担保付き貸付けをすること。
6 虚偽のまたは重要な事実を隠した財務諸表及び統計諸表を提供すること。
7 中国人民銀行による点検、検査、監督を拒否すること。
8 営業許可証を賃貸し、貸与すること。
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