三軍一体化の保障を推し進める。2004年7月から、済南戦区で大連合後方勤務改革の試行を始めた。三軍の連合後方勤務機関を一体化させる。現在の軍区連合後方勤務部を軍区(戦区)連合後方勤務部に改称して戦区三軍部隊の連合後方勤務活動の指導機関とし、連合後方勤務部機関の軍・兵種の幹部の比率をもとの12%から45%に高める。三軍の保障力を一体化させる。戦区内の軍・兵種が指導、管理する後方の倉庫、病院、療養所および物資、工事などの後方勤務保障機構をすべて連合後方勤務系統に編入し、統一的に整合し、統一的に建設し、統一的に管理、共同使用する。三軍の保障内容を一体化させる。戦区内の三軍部隊の後方勤務保障は、通用保障と専用保障に分けなくなり、統一的に連合後方勤務系統によって実施される。三軍の保障ルートを一体化させる。現在の軍・兵種の部隊保障の多くのルートを連合後方勤務系統の一つのルートに調整、合併して、供給保障の環を減らし、効率を高め、効果的な監督管理メカニズムを形成する。
後方勤務装備の科学研究を展開する。2年来、合計92件の新型後方勤務装備の実験と定型を完成し、後方勤務装備体制プロジェクトの定型率は93%に達し、専業の種類のそろった新しい世代の後方勤務装備システムが基本的に形成され、一部の装備は国際先進レベルに達した。 2004年4月、第4回北京国際軍事後方勤務装備技術展覧会が開催され、26カ国・地域の340余社の業者が展覧会に参加し、16カ国の軍事後方勤務代表団が招かれて展覧活動に出席し、国際軍事後方勤務装備技術発展戦略に関する研究・討論に参加した。
医療保障制度と社会化保障の改革を深化する。2004年5月から、全軍は以前の試行と試行拡大を踏まえて、分類保障、合理的治療、統一的管理、カードによる受診を主な内容とする医療保障制度の改革を全面的に推し進めた。軍人の無料医療、従軍家族の医療優遇、軍隊の職員・労働者の保険医療を結び付けた新しい医療保障制度を確立し、医療サービスの質と保障レベルを高めた。軍隊の職員・労働者の分流と体制転換の問題を解決するため、軍隊職員・労働者賃金総額全額負担の管理方法および分流配置経費補助などの政策を制定した。住宅の分配貨幣化、供給市場化、管理社会化を全面的に推進し、住宅補助金の実現にいっそう力を入れ、軍人の住宅購入能力をたえず高めている。
政治工作を革新
人民解放軍はあくまでマルクス・レーニン主義、毛沢東思想、鄧小平理論と「三つの代表」の重要な思想を導きとして、軍隊に対する党の絶対的指導の根本的原則と制度を堅持し、思想政治建設を首位におき、政治工作の内容、方法、手段、メカニズムを革新し、政治工作のサービス保証作用と作戦機能を十分に発揮する。
2003年12月に改正、公布された「中国人民解放軍政治工作条例」は、政治工作を軍隊に対する党の絶対的指導を実現し、軍隊が職能を履行する根本的保証とすることを堅持し、政治工作は軍隊の戦闘力を構成する重要な要素であることを明確に打ち出し、政治工作の作戦機能を発揮することを強調している。全軍は中国の特色のある軍事変革をテーマとする教育を広く展開し、戦時政治工作の研究と訓練を深化させ、各軍・兵種および特殊な任務を執行する部隊の政治工作を強化し、軍隊の職能教育を強化し、憂患意識を強め、訓練の情熱を引き出し、部隊の戦闘精神と優れた作風を育てている。
人民解放軍は法規と制度に頼って政治工作の革新・発展を推し進めることを堅持する。2004年4月、中央軍事委員会は「中国共産党軍隊委員会工作条例(試行)」を公布した。同条例は全体委員会、常務委員会、書記、委員の職責をいちだんと明確にし、党委員会の議事と政策決定のプロセスと原則を整備している。2004年2月、中央軍事委員会は「軍隊の高・中級幹部の教育管理強化に関する若干の規定」を公布した。同規定は連隊クラス以上の幹部の個人学習検査、特別教育、訓戒・勉励談話、思想政治資質考査、職務履行報告・廉直報告、重要活動履行報告などの制度を制定し、それを完備している。
人民解放軍は思想文化建設を重視する。2001年から2002年にかけて、中央軍事委員会は軍隊末端の文化建設に合計1億4000万元を支出した。最近の2年間に、総政治部、総後方勤務部は相次いで「中国人民解放軍文化装備管理暫定規定」、「軍隊末端文化建設暫定規定」を共同で印刷、配布した。2003年から、全軍末端の文化器材は基準経費によって供給され、固有の器材として管理し始めた。2004年5月、全軍文芸創作座談会を開き、全軍文芸創作5カ年計画を制定した。軍隊は毎年図書と録音・録画製品を2800余種出版している。各部隊は豊富多彩な兵営文化活動を繰り広げて、全面的建設と戦闘力の向上を促進している。
法に依って軍隊を厳格に管理
人民解放軍は法に依る軍隊管理、軍隊の厳格管理の方針を貫徹し、軍事法制建設を強化し、正規化レベルを高め、部隊の戦闘力を増強している。
軍隊管理の優れた伝統および中国の特色のある軍事変革の要求を法規の形式で確定し、軍隊建設の各方面を規範化させることを重視している。新しい歴史的時期に、軍隊は前後して「中国人民解放軍内務条令」、「中国人民解放軍規律条令」、「中国人民解放軍隊列条令」、「中国人民解放軍司令部条例」、「中国人民解放軍政治工作条例」、「中国人民解放軍後方勤務条例」、「中国人民解放軍装備条例」、「中国人民解放軍軍事訓練条例」、「中国人民解放軍警備条令」および新しい世代の作戦条令など多くの軍事法規を公布、改正し、条令と条例を主体とする軍事法規体系を基本的に形成した。2003年4月、中央軍事委員会は「軍事法規軍事規則条例」を公布し、軍事立法工作を規範化させた。2004年1月、中央軍事委員会の指示に基づき、全軍と武装警察部隊は現行の軍事法規、軍事規則を全面的に整理し、軍事法規と軍事規則をまとめて統一的に編纂、印刷し、軍隊の厳格管理に法的根拠を提供した。全軍は法制教育と条令・条例学習を深く展開し、異なる段階の条令の共同訓練を行い、将兵が法によって職責を履行するように導いている。
条令・条例と規則・制度の権威制、厳粛性を守り、厳格に条令・条例に基づいて部隊を管理する。将兵に意識的に条令・条例と規則・制度を守らせるため、経常的な教育と管理の中で作風・規律建設を進めている。厳格な訓練を通じて、部隊の整然とした軍容、厳正な規律、疾風迅雷の作風を育てている。2003年8月に、中央軍事委員会は「軍隊の末端建設綱要」を改正、公布し、末端の戦備、訓練、活動、生活秩序の正規化を推進した。総参謀部、総政治部、総後勤部、総装備部は二回にわたって合同工作組を組織し、全軍の軍隊を厳格に管理する状況を全面的に検査した。全軍と武装警察部隊は中央軍事委員会の要求にしたがって、整頓と改善活動を繰り広げ、法による軍隊管理、軍隊の厳格な管理の方針の貫徹を促進した。
第四章 国防経費と国防資産
中国は国防建設の必要と社会主義市場経済の要求に基づき、法によって国防経費を管理、使用し、軍事装備、物資の買付と供給を保障し、国防資産を保護している。
国防経費
中国政府は国防法に依拠して、国防建設と経済建設を協調的に発展させる方針を貫徹し、国防の必要の変化に適応し、国家の経済発展と財政収入増加の基礎の上で、引き続き国防費を適度に増加している。2002年と2003年の中国の国内総生産(GDP)はそれぞれ人民元10兆5172億3400万元と11兆7251億9400万元である。2002年、2003年の中国の年度国防費はそれぞれ1707億7800万元、1907億8700万元、2004年の年度国防費は2117億100万元である。
中国の増加する国防費は、主に次の五つの方面に使われる。(一)軍人の給与を増加する。国の社会・経済の発展と都市・農村住民の一人当たり収入の増加と同時に、軍人の給与レベルを同時に増加するように保証する。国家公務員の統一的な賃金調整政策を参照して、将校、文職幹部、士官の給与基準および義務兵、供給制学員の手当基準を引き上げ、離職休養と停年退職人員の離職休養費と停年退職費を増加する。 (二)軍人の社会保険制度を一段と整備する。2003年12月に「中国人民解放軍軍人配偶者従軍未就職期間社会保険暫定規則」を制定して、軍人の配偶者が従軍したあと就業していない期間の基本的生活保障と社会保険補助の待遇問題を解決した。 (三)軍隊の体制編制の調整・改革を保障する。中国がさらに軍隊を20万人減員するため、余剰人員の退役配置などの経費支出は相応に増加する。(四)軍隊の人材養成への資金投入を増大する。人材激励メカニズムを構築、整備し、軍隊の大学と学校の条件を改善し、地方の大学と学校に人材養成を委託し、軍隊の人材戦略プロジェクトの実施を確保する。(五)装備の経費を適度に増加する。兵器・装備の飛躍的発展を推し進め、軍事闘争準備を強化するため、装備建設経費を一部分増加する。
ここ2年来、中国の年度国防費の同期の国内総生産(GDP)と国家財政支出に占める比率はほぼ同じである。1990年代以降の圧倒的多数の年度の国防費増加率は国家財政支出の増加率より低いものである。
中国の国防費の絶対額は長期にわたり西側の一部大国より少なく、国内総生産と国家財政支出に占める比率も相対的に低いものである。2003年の中国の国防費はアメリカの5.69%、日本の56.78%、イギリスの37.07%、フランスの75.94%しかなかった。
中国の国防費管理はなおさら公開、規範化し、使用効益は着実に大きくなっている。国防経費の予算編成改革をいっそう深化させ、新しい国防費予算システムを確立し、0基予算方法と総合予算制度を推し進めている。予算のコントロール機能を増強し、国防費の投入の方向と数量を最適化させる。国防物資、工事、サービスの入札・応札と買付制度を整備し、資金の集中支払範囲を拡大する。
表1 1997年から2003年までの中国の年度国防費が国内総生産(GDP)に占める比率(%)
年度 1997年 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年
比率 1.09 1.19 1.31 1.35 1.48 1.62 1.63
表2 1995年から2003年までの中国の国防費増加率と国家財政支出増加率(%)
パーセント 年度
% 国家財政支出 国防費
10 12 14 16 18 20 22
1995年 1996年 1997年 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年
|