婦人を誘拐して売り飛ばす犯罪行為を厳しく取り締まる。1997年に中国刑法を改正した時、婦人を誘拐して売り飛ばし、その婦人を買い取る罪名を特に改正、増設し、犯罪の量刑基準を高めた。最高人民法院は司法解釈を制定し、関係法律条項をいっそう執行しやすいようにした。ここ数年来、全国の公安機関は婦人と子供を誘拐して売り飛ばす犯罪を取り締まる特別行動を連続して行い、救出された婦人と子供のために護送・育成訓練・リハビリセンターを設立し、著しい効果をあげている。同時に、公安機関と司法機関は婦人と子供を誘拐して売り飛ばす犯罪の取締りを国際協力の重要な領域に確定し、関係国と二国間警察協力取り決めと刑事司法協力条約を締結し、「婦人と子供を誘拐し売り飛ばす犯罪を防止し、取り締まる」プロジェクトを共同で実施している。
法によって女性の犯人と犯罪容疑者の権利を保護する。国は男性と女性の犯人を別々に拘禁、管理し、女性犯人を女性人民警察が直接管理する制度を厳格に実行し、女性犯人が病気になった時は女性医者が診療し、女性犯人が未成年子女とともに祝日を過ごすのを許し、女性犯人に対し、その生理と心理の特徴に適する法制教育、教養教育、職業技術教育を行い、豊富多彩な文化スポーツ活動を展開している。
結びの言葉
これまでの10年間に、中国は性別平等と婦人発展を促進する分野で重要な進展をとげ、成績は衆目の認めるものである。
同時に、中国政府は、経済・社会発展レベルなどの要素の制約と制限を受け、特に経済構造を調整し、社会主義市場経済体制を確立し、完全なものにする過程で、性別平等と婦人発展を促進する面で多くの新しい状況と新しい問題に直面している。これらの新しい状況と新しい問題は、女性群集の社会階層の区分が日ましに複雑になり、婦人の生存、発展、権益保障の必要が多様性を呈していること、異なる地区、階層、群集の婦人の発展にアンバランスの現象がわりに目立っていること、歴史と文化の中に残った男女不平等の古いきまりやしきたりがまだ完全に取り除かれておらず、婦人の権益を侵犯する現象が一部の地区で程度の差こそあれ依然として存在していることである。中国では、性別平等と婦人発展の全面的促進は任重くして道遠しである。
いくらかゆとりのある社会を全面的に建設する新しい歴史的時期に、中国政府は国情と社会主義の調和のとれた社会を建設するという戦略的高度から出発し、人を本とし、全面的に協調する持続可能な科学的発展観を樹立し、男女平等の基本的国策を一歩進んで貫徹し、法によって婦人の権益を保障し、婦人発展綱要の目標と要求を実行に移し、婦人が政治、経済、文化、社会、家庭生活などの面で男子と平等な権利を享有するように促進することに努める。中国政府は引き続き社会各界が共に性別平等と婦人発展の促進に参与するのを支持するとともに、国連などの関係国際機構および各国政府との交流と協力を強化し、世界範囲内の平等、発展、平和を推進することに積極的な貢献をするであろう。
|