たえず発展する中国は国際経済技術協力に積極的に参与し、世界各国にすばらしいチャンスと巨大な市場をもたらしている。各国特に先進国は投資とサービス貿易を通じて中国から多くの収益を獲得している。
中国が積極的に国際分業協力に参与することは、世界の資源の合理的、効果的配置に有利である。中国は世界最大の発展途上国であり、その豊富な、資質がたえず向上する労働力資源は、中国が労働集約型産業と一部の技術集約型産業を発展させる天然の強みとなっている。中国の経済と社会の発展と人民生活水準の向上につれて、中国の資本集約型、技術集約型、知識集約型の製品に対する需要はたえず増加し、外国の製品、技術、サービスの中国市場進出に多くのチャンスをもたらしている。中国はすでに国際に公認される大きな市場の一つになった。中国の貿易は多くの国と非常に強い相互補完性がある。中国がアメリカ、日本、EUに輸出する製品の70%は労働集約型の製品であるのに対し、アメリカ、EU、日本から輸入する製品の80%以上は資本集約型、技術集約型、知識集約型の製品である。新しい国際分業枠組みの中で、中国は世界産業チェーンの中の不可欠な重要な一環となっている。
中国の良質で安価な製品は、輸入国の市場ニーズを満たすと同時に、輸入国の支出とインフレの圧力を減らし、各国消費者の福祉を増やしている。中国の労働集約型製品は国際で独自の強みを持っている。1997年以来、中国商品のアメリカ市場進出につれて、アメリカ消費者は毎年少なくとも数百億ドルの支出を節約している。過去10年間に、中国製品はアメリカ消費者に数6000余億ドルを節約させ、2004年だけでも1000億ドル近く節約させた。
中国の互恵互利の対外経済貿易関係の不断の拡大は、中外双方に巨大な実際的な利益をもたらしている。1978年以来、中国の輸入は年平均16%以上増加し、WTO加盟後の3年間の過渡期に約1兆2700億ドルの商品を輸入した。2004年、中国はわずかアメリカとドイツに次いで世界三番目の大輸入国になり、輸入増加額は1484億7000万ドルに達し、世界輸入増加量の9%を占めた。2004年の中国とアメリカ、日本、EUとの貿易額はそれぞれ1696億ドル、1678億ドル、1773億ドルであり、EU、アメリカ、日本はすでに中国の三大貿易パートナーと外資の主要な出所になった。2004年、中国とアジア諸国・地域との貿易総額は6649億ドルに達し、前年と比べて34.2%増加し、中国の貿易総額の57.6%を占めた。中国はすでにアセアンの4番目の大貿易パートナーと成長の最も速い市場になった。
中国の巨大な市場は世界の資本に投資のチャンスを提供し、各国の投資家が中国経済の快速な発展のもたらす利益を分かち合えるようにしている。1990年から2004年にかけて、外国投資家が中国から自国に送金した利益金は2506億ドルに達した。2004年、中国にあるアメリカの投資企業は中国市場で750億ドルの売上高を獲得し、750億ドルの中国で生産した製品をその他の市場に輸出した。中国アメリカ商会が2005年に行った調査が顕示しているように、約70%のアメリカ企業は中国で利潤を獲得しており、約42%の企業が中国で獲得した利潤はその世界での平均利潤率を上回っている。
中国の対外投資の不断の拡大は相手国の経済と社会の発展にチャンスをもたらした。2004年末現在の中国の非金融類の対外直接投資は448億ドルに達し、149カ国・地域に及んでいる。そのうち、アジア諸国・地域に対する直接投資は同期の対外直接投資の75%を占める334億ドルに達した。
中国の対外経済貿易協力の展開は、巨大な潜在力と明るい見通しがある。WTO加盟以来、2001年12月から2005年9月にかけて、中国は毎年約5000億ドルの商品を輸入したが、これは関係ある諸国と地域のために約1000万の雇用ポストをつくり出した。今後の数年間の中国の毎年の輸入額は6000億ドルを上回り、2010年には1兆ドルを上回る。2020年になると、中国の市場規模と総需要は2000年より4倍増する。この過程において、世界各国は中国との互利協力の中から自らの発展のチャンスと巨大なビジネスチャンスを探し当てることができるが、これは世界経済成長の促進に対し重要かつ積極的な役割を果たすものである。
五、平和が永く続き共に繁栄する調和のとれた世界を構築
人類は地球という家しかない。平和が永く続き共に繁栄する調和のとれた世界を構築することは、世界各国人民の共通の願いであり、中国が平和的発展の道を歩む崇高な目標である。
調和のとれた世界は民主の世界、和睦の世界、公正な世界、包容の世界であるべきだと中国は見ている。
――民主と平等を堅持し、調和と協力を実現する。各国は「国連憲章」と平和共存五原則を踏まえ、対話、交流、協力を通じて国際関係の民主化を促進すべきである。各国内部の事は各国人民が自ら決定すべきであり、世界の事は各国が平等に協議して解決すべきであり、発展途上国は国際事務の中で平等な参与権と決定権を享有すべきである。各国は互いに尊重しあい、平等につき合うが、自己の意志を他人に押しつけることをせず、自国の安全と発展を他国の利益を犠牲にする基礎の上に築くことをしない。国際社会は一方主義に反対し、多角主義を提唱、推進し、国連とその安保理に国際事務における積極的な役割をよりよく発揮させるべきである。国際関係を処理する時は、各国人民の共通の利益から出発することを堅持し、利益の共通点を拡大するように努め、意思疎通を通じて理解を深め、理解を通じて協力を強化し、協力を通じて互利を実現すべきである。
――和睦と互信を堅持し、共同の安全を実現する。各国は手を取りあって共に世界の安全脅威に応対すべきである。冷戦についての考えを捨て、互信、互利、平等、協力を核心とする新しい安全観を樹立し、公平かつ効果的な集団安全メカニズムを通じて、共同で衝突と戦争を防止し、協力を通じてテロ活動、金融リスク、自然災害など非伝統的な安全問題の脅威をできるだけ取り除くかあるいは少なくし、世界の平和、安全、安定を守るべきである。平和な方式、平等な協議と交渉を通じて国際紛争と衝突を解決し、他国の主権を侵略する行為、他国の内政への干渉、武力行使または武力による脅威に共に反対すべきである。国際反テロ協力を強化し、根本問題と末節問題の同時解決を堅持し、根源の除去に重点を置き、断固としてテロリズムに打撃を与えるべきである。公正、合理、全面、均衡の原則にのっとって、効果的な軍縮と軍備制限を実現し、大量破壊兵器の拡散を防止し、国際核軍縮を積極的に推し進め、世界戦略の安定を守るべきである。
――公正、互利を堅持し、共同発展を実現する。経済グローバル化は公正を基礎とすることを堅持し、均衡的かつ秩序だつ発展を実現し、各国特に広大な発展途上国にあまねく利益を受けさせるべきで、南北の格差をこれ以上拡大するべきではない。経済グローバル化が共同の繁栄の実現に利する方向に向かって発展するように推し進めるべきで、先進国は世界の普遍的な、調和のとれた、均衡的な発展の実現のためにより多くの責任を負い、発展途上国は自らの強みを十分に利用して発展を推し進めるべきである。貿易と投資の自由化、便利化を積極的に推し進め、各種の貿易障壁を取り除き、市場をいちだんと開放し、技術輸出制限を緩め、公開、公正、合理、透明、無差別の国際多角貿易体制をつくり上げ、世界経済の秩序だつ発展のために良好な貿易環境をつくり出すべきである。国際金融システムをいちだんと整備し、世界経済成長のために安定した高効率の金融環境をつくり出すべきである。国際エネルギー協力と対話を強化し、共同でエネルギーの安全とエネルギー市場の安定を守るべきである。人権を積極的に促進、保障し、人々に全面的発展を平等に追求する機会と権利を享有させるべきである。発展のパターンを革新し、人と自然の調和のとれた発展を促進し、持続可能な発展の道を歩むべきである。
――包容と開放を堅持し、文明的対話を実現する。文明の多様性は人類社会の基本的特徴であり、人類の文明進歩の重要な原動力でもある。各国は互いに自主的に社会制度と発展の道を選ぶ権利を尊重し、互いに参考しあい、相手の長所を取り入れて自らの短所を補いあい、各国がそれぞれ自国の国情に基づいて振興と発展を実現するようにすべきである。異なる文明間の対話と交流を強化し、相互の疑惑と食い違いを取り除き、共通点を求め相違点を残す中で共に発展し、人類をいっそう仲良くさせ、世界をいっそう豊富多彩にさせるべきである。文明の多様性と発展パターンの多様化を守り、協力して各種の文明が融け合って共存する調和のとれた世界をつくり上げるべきである。
長年来、中国は平和、発展、協力の政策と主張を堅持し、独立自主の平和外交政策を堅持し、民主、和睦、公正、包容の精神に基づいて、建設的な役割を果たし、各国とともに実践して、調和のとれた世界を構築するという崇高な目標を打ち立てるように努力している。
中国は国際政治経済秩序が公正で合理的な方向に向かって発展するのを積極的に推し進め、国際関係の民主化を促進している。中国は「国連憲章」の宗旨と原則を遵守し、国連が国際多角的メカニズムの核心として国際事務の中で果たす重要な役割を重視し、多国間協力を通じて地域の衝突と発展の問題を解決するのを積極的に推し進めるとともに、国連が国際事務の中でより大きな役割を果たすのを積極的に支持している。国連の改革を支持し、国連の長期的利益と広大な加盟国の共通の利益を断固として保護する。中国は国際原子力機関(IAEA)を含む130余りの政府間国際機構に加盟し、「核不拡散条約」(NPT)など267の国際多角的条約に加入し、反テロ対策、軍備抑制、拡散防止、平和維持、経済・貿易、発展、人権、司法、環境など各方面で国際協力に積極的に参与している。
中国は実際の行動で周辺地域との善隣互信関係樹立を推し進め、地域の安全協力を促進している。中国は公認された国際法準則および平等協議、相互理解、相互譲歩の精神にのっとって、隣国との国境問題を妥当に解決し、紛争を解消し、安定を促進している。各国との共同努力を通じて、現在までに中国は12の陸地隣国と国境条約を締結し、歴史的に残された国境問題を解決した。中国とインド、ブータンとの国境問題はいま積極的な方向に向かって発展している。中国は地域安全についての対話と協力を積極的に推し進め、「アセアンと中国」、「アセアンと中国・日本・韓国」、上海協力機構、アジア太平洋経済協力機構(APEC)、ASEAN地域フォーラム、アジア協力対話などの地域メカニズムの中で、積極的かつ建設的な役割を果たしている。中国は「東南アジア友好協力条約」に加入して、中国とアセアン諸国との平和友好に新しい活力を注ぎ込んだ。
中国は国際と地域の一部のホットな問題を処理する上で建設的な役割を果たし、世界の共通の安全を促進している。朝鮮半島核問題については、中国は辛抱強く積極的に調停を行い、前後して3者(中国、朝鮮、アメリカ)協議と6者(中国、朝鮮、アメリカ、韓国、ロシア、日本)協議の開催を実現し、それを主催し、各側が共同声明を発表するのを推進して、半島の緊張情勢を緩和し、東北アジアの平和と安定を守る上で建設的な役割を果たしている。中東問題については、中国は関係各方面が国連の関係決議と「土地で平和と取り換える」原則に基づいて和平交渉を回復し、和平のプロセスを再開するのを支持している。イラク問題については、中国は国連の枠組み内で政治的に解決するのを積極的に提唱し、イラク問題の妥当な解決のために多くの働きかけを行った。イランの核問題については、中国は多種の方式を通じて協議を促進し、国際原子力機関(IAEA)の枠組み内でイラン核問題を妥当かつ平和に解決するようはかっている。中国は国連の平和維持行動への参与をたえず拡大し、これまで14の国連平和維持行動に軍事要員、警察、民事官員を延べ3000余人派遣した。
|