国は女性が平等に中等教育と高等教育を受ける機会を保障し、各級各種学校の女性の比率を著しく向上するように努めている。2004年、中学校と高校の在校女子生徒の比率はそれぞれ47.4%と45.8%、中等職業学校の在校女子生徒の比率は51.5%に達した。全国の普通大学の在校女子学生は609万人で、在校生総数の45.7%を占め、1995年より10.3%増えた。女性の修士と博士の比率はそれぞれ44.2%と31.4%に達し、1995年よりそれぞれ13.6%と15.9%上昇した。ここ数年来、中国政府は全国の普通大学で国家助学貸付金制度を実行し、国家助学金と奨学金を設け、女子学生を含む貧しい大学生に利息控除貸付金および奨学金と助学金を提供し、その学業を完成するのを助けている。同時に企業や民間機構と個人が助学のために寄付し、貧しい家庭の女子学生が各クラスの教育を受けられるように支持するのを奨励している。国は女性教師を育成、訓練し、女性教育を促進する面で役割を果たさせることを重視している。2004年、中学校と高校の教師に占める女性の比率はそれぞれ45.9%と41.7%に達し、中等職業学校と普通大学の専任教師に占める女性の比率はそれぞれ46.5%と42.5%に達した。
長年来、中国政府は字を読めない女性をなくし、字を読めない女性が新たに生まれるのを抑制し、字を読めるようになった女性が再び字を読めなくなるのを防止することを重視するとともに、貧困地区と少数民族地区で字を読めるように婦人を教育することを重点的に推し進めている。政府の関係部門と全国婦人連合会は女性を対象とする「字を読めない女性をなくす行動」を展開し、2004年、全国の都市部の15歳とそれ以上の女性の字を読めない率は8.2%で1995年より5.7%下がり、農村地区のそれは16.9%で1995年より10.5%下がり、全国の青壮年の婦人の字を読めない率は4.2%で1995年より5.2%下がり、字を読めない人全体の減少率を上回った。
国は職業教育、成人教育、技術トレーニングを大いに発展させて、婦人の終身教育のレベルが高くなり、性別の差別がさらに小さくなった。第五回国勢調査のデータが明らかに示しているように、中国婦人の教育を受ける平均年限は7年で、1990年より1.5年増え、10年間に男女の格差は0.5年小さくなった。2004年、通信大学、夜間大学などの成人大学教育を受けた女性は209万人に達し、学生総数の50%を占めた。ここ数年来、国は婦人の職業技能訓練を強化し、さまざまな訓練方式を通じて都市部婦人の職業競争力を高め、農村婦人が収入を増やして裕福になるように促進し、流動婦人を含む広範な出稼ぎ労働者の就業能力を高めた。
六、婦人と健康
中国政府は婦人の健康を性別平等と婦人発展を促進する優先的領域としている。10年来、国は「中華人民共和国母子保健法」、「中華人民共和国人口と計画出産法」などの法律を公布、実施し、婦人発展綱要の中で婦人の健康目標をかかげている。国は婦女子保健への資金投入をたえず増加し、婦人保健サービスネットワークをちくじ整備している。2004年末現在、都市と農村をカバーする婦女子保健機構は2997あり、全国の産婦人科のベッドは24万3000床ある。
生命周期各段階の婦人健康サービスの必要を満たし、婦人の寿命を延ばすことを重視する。長年来、各クラス衛生部門は婦人科疾患の検査と治療を婦人保健の日常活動とし、全国では毎年三分の一以上の65歳未満の既婚女性は婦人科検査を受けることができ、2004年の検査率は37.3%であった。政府は青少年の健康と高齢婦人の健康を重視し、各種の学校とコミュニティーで性知識とエイズ予防知識について宣伝と教育を大いに行い、若い女性の性健康知識レベルを高め、彼女たちの自己保護能力を増強し、多種の方法で科学的な保健方式を宣伝し、外来診察を通じて高齢婦人に保健相談とサービスをより多く提供し、高齢婦人の生活の質をわりに大きく高めている。2003年の婦人の平均寿命は74歳であった。
妊産婦の死亡率を下げ、母親の安全を確保する。2000年から2001年にかけて、国は2億元を支出して378の国家クラス貧困県で「妊産婦の死亡率を下げ、新生児の破傷風をなくす」プロジェクトを実施した。2002年から2005年にかけて、中央財政とプロジェクト実施地区は4億元を支出して引き続き同プロジェクトを実施するとともに3億余の人口を抱える1000の県に拡大した。数年来、数十万の貧しい妊産婦はプロジェクトの支持の下で安全な助産サービスを受けた。そのほか、中国政府はまた郷(鎮)保健所の助産条件を積極的に改善し、妊産婦救急のグリーン通路を切り開くとか貧しい妊産婦を救助するなどの措置をとって、農村妊産婦の入院分娩率を高め、母親の安全状況を改善している。10年来、中国の妊産婦の死亡率は1995年の十万分の六十一・九から2004年の十万分の四十八・三へとちくじ低下した。
人を本とする計画出産優良サービスを積極的に展開し、婦人が計画出産権を享有するのを保障する。1995年、中国政府は婦人の生殖健康権を重視する立場から出発し、人を本とする計画出産優良サービス・プロジェクトを始動させ、出産適齢期の女性の必要を中心に、状況に応じて避妊方法を選択し、男性の生殖健康活動への参与を奨励するなどの活動を行い、また思春期の少女に生殖健康の相談サービスを提供した。10年来、同プロジェクトの経験は全国の800余りの県(市、区)で推し広められて、広範な婦人の計画出産サービスの必要がいちだんと満たされ、婦人の計画出産権が保護された。
流動婦人に衛生保健サービスを提供し、彼女たちの健康福祉を保護する。都市と農村の流動人口のたえまない増加に伴い、国は公平に対処し、合理的に導き、管理を完全にし、優良なサービスを提供する原則にのっとって、戸籍のある人と同等の計画出産優遇政策と技術サービスを流動婦人に提供するように努めている。婦人発展綱要は、流動妊産婦の保健を流入地の妊産婦保健範囲に組み入れることを強調している。各クラス政府の関係部門はコミュニティーが流動婦人に衛生保健サービスを提供する形式を積極的に模索し、多種のルートを通じて性と生殖健康教育と相談サービスを提供し、流動婦人に対し健康検査を行い、無料で避妊具を配り、貧しい流動妊産婦に無料サービスを提供し、流動婦人の健康レベルを高めている。
エイズの予防と治療を強化し、婦人のエイズ感染者に関心を寄せる。ここ数年来、国はエイズの予防と治療を非常に重視し、国務院にエイズ予防治療工作委員会を設立し、資金の投入を増やして、エイズの予防と治療の面で確実に成果をあげている。婦人のHIV/AIDS感染がちくじ増加する状況を前にして、国はエイズの母子間伝染予防を婦女子保健の重要な内容とし、エイズの母子間伝染を遮断する専門家グループを設立して、エイズを予防し、無料で母子間の伝染を遮断し、陽性の妊婦とその生んだ嬰児に関心を寄せ、検査する活動を試行し、中国の国情にかなった関与の方式と経験を模索している。政府の関係部門はエイズ予防知識の宣伝とサービス活動を真剣に行い、コンドームの使用を普及させ、男性の参与度を高め、婦人のエイズ感染率を下げるようにしている。2004年の世界エイズの日に、全国で「婦人に関心を寄せ、エイズと闘おう」をテーマとする宣伝活動を行った。
NGOが各種の婦人保健プロジェクトを実施し、国際協力を幅広く展開するのを支持する。全国婦人連合会は「母親健康保護カー」などのプロジェクトを実施し、51のエイズ総合予防・治療モデル区で「エイズを予防し、一家の者の健康を守る」をテーマとする婦人向けの「面と向って」の宣伝教育活動を行っている。中国計画出産協会は全国の大学と中学校・高校および流動青少年の中で同伴教育を主とする性病・エイズ予防プロジェクトを広く展開し、農村では婦人の収入増加と婦女子保健・計画出産を結び付けて、婦人の健康レベルの向上を効果的に促進している。ここ数年来、中国政府は国連人口基金(UNFPA)、国連児童基金(ユニセフ)、国連婦人発展基金、世界銀行、世界保健機関(WHO)、国連エイズ企画署などの国際機構と、婦女子保健、生殖健康と計画出産、エイズの予防・治療などの分野で幅広く協力を行い、著しい効果をあげている。商務部が管理、協調する外国の対中国援助資金のうち、三分の一以上が婦女子保健事業に用いられている。
七、婦人と婚姻家庭
早くも1950年代に、「中華人民共和国婚姻法」は新中国の成立後最初に公布した法律として、婚姻家庭における婦人の平等な地位について明確な規定を行っている。2001年に公布した婚姻法改正案は男女平等の基本的原則を再確認し、夫婦の地位の平等、婚姻と家庭における権利・義務などの平等を強調し、家庭内暴力禁止、重婚禁止など婦人の権利保護に利する条項を補充した。現在、婦人の婚姻自主度が著しく向上し、家庭で果たす役割が著しく大きくなり、人身と財産の権利がいちだんと保障されている。
計画出産の基本的国策の実行を堅持し、遅い結婚と遅い出産を提唱する。10年来、婦人の早婚率が下がり、平均の初婚年齢が高くなり、総合的出産率はわりに低いレベルを保ち、2004年は1.8であった。計画出産活動では、国は社会の性別意識を強調し、婦人の出産権利を尊重し、計画出産と性別平等促進を結び付けている。2002年から実施を始めた人口と計画出産法は、夫婦双方が共に計画出産の責任を負うことをいちだんと明確に規定し、家庭生活における性別平等の実現に有利な条件を提供している。
社会福祉事業を大いに発展させ、コミュニティーで家庭生活に直接影響のある公共サービスを優先的に発展させ、家事労働の社会化を実現し、婦人の自由になる時間を増やすように努める。家事労働サービスが速やかに発展し、労務費支出の家庭消費に占める比率がちくじ上昇し、家用電器が日ましに普及し、託児事業がたえず発展すれば、男性が家事を分担する比率はいくらか上昇し、婦人の家事労働負担は軽くなり、男女の家事労働時間の時間差がいちだんと小さくなる。
法によって女の嬰児と子供の生存発展権を保障し、生まれる嬰児の性別比がいくらか高くなる現象を抑制する。人口と計画出産法は、超音波およびその他の技術手段で胎児の性別を医学的に見て必要のない鑑定を行うことを禁止し、医学的に見て必要のない性別選択のための人工による妊娠中止を許していない。ここ数年来、政府の関係部門は全国で「結婚と出産の新風を多くの家庭に吹き込ませる」活動を行って、男女平等、男の子を生んでも女の子を生んでも同じという新しい結婚出産観念を突っ込んで宣伝している。2003年は「女児に関心を寄せ愛顧する活動」を始動させ、「性別差別をなくすことは妊娠の時からやらなければならず、男女平等の提唱は子供の時からやらなければならない」と呼びかけ、幅広く突っ込んだ宣伝教育を通じて、女児とその家庭の発展に利する利益誘導メカニズムをちくじ構築し、男女不平等の出産の好みを改め、女児の合法的権益を守り、家庭における女児の地位を高めるように努めた。
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