中国の 55 の少数民族のうち、回族、満州族が漢語を使用するほか、残りの 53 の民族はいずれも自民族の言語がある。蒙古、チベット、ウイグル、朝鮮、イなどの少数民族文字はコードアルファベット、フォント、キーボードの国家基準がある。蒙古、チベット、ウイグル、朝鮮などの少数民族文字ソフトはすでに Windows システムでの運行とレーザー製版を実現した。民族文字を応用した各種のソフトウェアが次々と開発され、民族文字の識別とコンピューターによる補助翻訳も多くの科学研究成果をあげている。
国は専門機構を設けて、「ゴザール」(チベット族民間の講談体の長編英雄史詩)、「ジャンゴール」(蒙古族の英雄史詩)、「マナス」(キルギス族の伝記史詩)など少数民族の三大英雄史詩について、計画的、組織的に収集・整理・翻訳・研究作業を行っている。ここ 10 年来、国はチベット語の『大蔵経』合計 160 冊の校勘、出版を支持するため、 3000 余万元を支出した。国は多額の資金を投じてラサのドブガイ寺、セラ寺、カンタン寺、青海のタル寺、新疆のキズル千仏洞など多くの国家級重点文化財・古跡を修繕している。 1989 年から 1994 年にかけて、国は資金 5500 万元、金 1000 キロを投じて、有名なポタラ宮に対し第 1 期の修繕を行った。 2001 年から、国はまた 3 億 3000 万元の特別資金を支出して、ポタラ宮の第 2 期修繕などのプロジェクトを実施した。
国の援助と民族自治地方の努力の下で、 2003 年現在、少数民族文字で出版された図書は 4787 種、印刷部数は 5034 万冊、雑誌は 205 種、印刷部数は 781 万冊、新聞は 88 種、印刷部数は 1 億 3130 万部に達し、民族自治地方所属の芸術公演団体は 513 、図書館は 566 、博物館は 163 ある。 2003 年、民族自治地方に民族言語で放送する放送局が 122 、民族言語で放映するテレビ局が 111
あり、これらの放送局とテレビ局はそれぞれ 15 種と 11 種の少数民族言語で番組を放送、放映している。ほかに放送局が 73 、ラジオ送信所が 523 、テレビ局が 94 、テレビ送信所が 830 、ラジオ・テレビ衛星受信中継システムが 25 万 4900 ある。
(五)教育レベルが著しく向上する
2003 年、民族自治地方に各級と各種の学校が 8 万 3726 校あり、在校生が 2943 万人で、 1952 年より 5 倍、 1984 年より 29.7 %、 1994 年より 10.6 %それぞれ増加し、各種の専任教師が 154 万 1000 人で、 1994 年より 16.0 %増加した。教育事業の発展で、少数民族が教育を受ける年限は著しく長くなった。 2000 年の第五回全国国勢調査によると、朝鮮族、満州族、蒙古族、カザフ族など 14 民族の教育を受ける年限は全国平均レベルより長いものである。
(六)医療衛生事業が持続的に進歩する
2003 年末現在、民族自治地方に医療衛生機構が 1 万 5230 カ所、ベッドが 38 万床、医療衛生技術者が 46 万人あり、 1952 年と比べてそれぞれ 12 倍、約 66 倍、約 25 倍増加し、衛生防疫機構と特別予防治療施設が 934 、婦女子保健所(ステーション)が 371 ある。 2003 年現在、民族自治地方の農村に郷診療所が 7234 カ所、ベッドが 5 万 5000 床ある。医療事業の発展により、少数民族人口の予想寿命が著しく長くなり、そのうち全国の平均水準 71.40 歳より長い少数民族が 13 あり、漢民族の 73.34 歳より長い少数民族が 7 つある。
(七)貿易と観光業が急速に発展する
2003 年、民族自治地方の輸出入総額は 136 億ドルに達し、そのうち、輸出額は 79 億ドル、輸入額は 57 億ドルであり、外資企業は 3263 社あり、年間の外資実際利用額は 20 億ドルに達した。国内観光者数は延べ 1 億 2333 万人で、観光収入は 563 億元に達し、国際観光者数は延べ 215 万人で、観光による外貨収入は 6 億ドルに達した。
結語
50 数年来の実践が証明しているように、中国の民族区域自治制度とその実践は巨大な成功を収めた。民族区域自治を通じて中国の民族問題を解決することは、中国の国情と各民族の共通の利益に合致する正しい選択である。
中国は 13 億の人口を擁する発展途上の大国である。改革・開放と現代化建設の過程で、国と民族自治地方がすでに多種の措置をとって、少数民族地区の経済と社会の発展を推進しているにもかかわらず、歴史的基礎と地理的条件など諸々の要素の制約と影響を受けて、少数民族がわりに集中的に分布している西部地区では、経済と社会の発展レベルは東部の発達地区より低く、特に一部の辺ぴな地区ではわりに立ち遅れている。民族区域自治を堅持し、それを完全なものにし、制度の強みを十分に生かし、絶えず民族地区の経済と社会の発展レベルを高めることは、新しい世紀に中国がいくらかゆとりのある社会を全面的に建設するにあたってとくに力を入れて解決しなければならない問題である。
中国政府は自国の国情から出発し、人間を本とする全面的、協調的、持続可能な科学的発展観を堅持し、民族区域自治制度の具体的な実現形式をさらに一歩進んで模索し、健全にし、「民族区域自治法」の関係法律・法規を整備し、民族区域自治制度を実行する物質的基礎をたえず充実させ、少数民族と民族地区の経済と社会の全面的発展を促進するだろう。
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