中華人民共和国国務院報道弁公室
2006年10月・北京
前 書 き
21世紀に入ってから、世界の宇宙航空活動はめざましく発展する新しい局面を呈している。宇宙航空活動を展開する主な国々は宇宙航空の発展戦略、発展計画、発展目標を相次いで制定または調整し、宇宙航空事業は国全体の発展戦略の面でますます際立った役割を果たし、宇宙航空活動は人類の文明と社会の進歩にいっそう大きな影響を及ぼしている。
中国の宇宙航空事業は1956年から始動し、今までまる50年の輝かしい道のりをたどってきた。半世紀以来、中国は宇宙航空事業を独立自主的に発展させ、若干の重要な技術分野では世界の先進国に仲間入りし、世界の注目を集める成果をあげた。中国は確固として変わることなく平和的発展の道を歩み、宇宙空間は全人類の共同の富であると一貫して主張し、宇宙空間を平和的に利用するさまざまな活動を支持し、宇宙空間を積極的に探究、利用し、人類の宇宙航空事業の発展にたえず新しい貢献をしている。
中国は、今世紀の最初の20年間に小康(いくらかゆとりのある)社会を全面的に建設し、革新型国家に仲間入りするという戦略的目標を打ち立て、そのため、中国の宇宙航空事業の発展は新しいチャンスとより高い要求に直面している。新たな発展段階において、中国は科学的発展観を導きとし、国の戦略的目標をめぐって、自主的イノベーションを強化し、宇宙航空事業をより速く、よりよく発展させるように努力する。
2000年に中国政府が「中国の宇宙航空事業」白書を発表して以来、中国の宇宙航空事業はまたも長足の進展をとげた。過去5年間および今後一時期の中国の宇宙航空事業に対する世人の理解を深めるため、ここに関係状況を紹介、説明する。
一、発展の宗旨と原則
中国の宇宙航空事業を発展させる宗旨は、宇宙空間を探究し、地球と宇宙に対する認識を深めること、宇宙空間を平和的に利用し、人類文明と社会進歩を促し、全人類に幸福をもたらすこと、経済建設、科学技術発展、国の安全、社会進歩などの面の必要を満たし、国民全体の科学的資質を高め、国の権益を守り、総合的国力を強めることである。
中国の宇宙航空事業発展は、自主的イノベーション、重点的飛躍、発展支持、未来指向という国の科学技術事業発展の指導方針を貫徹する。新たな発展段階における中国の宇宙航空事業の発展原則は次の通り。
―国全体の発展戦略に従い、それに奉仕し、国の必要を満たし、国の意志を体現することを堅持する。中国は、宇宙航空事業の発展を、国の経済実力、科学技術実力、国防実力、民族結集力を増強するという国を強大にし、興隆させる戦略的措置とし、国全体の発展戦略の重要な構成部分として、宇宙航空事業の長期にわたって安定した発展を保つ。
―独立自主、自主的イノベーションを堅持し、飛躍的発展を実現する。中国の宇宙航空事業は自力更生に頼って始動し、自主的イノベーションの中でたえず発展し、自主的イノベーションの能力を高めることは宇宙航空事業発展の戦略的基点である。国情と必要に応じて、力を入れるべきことに取り組み、限られた目標を選び、力を集中して重点を突破し、飛躍的発展を実現する。
―全面的に協調する持続可能な発展を堅持し、宇宙航空科学技術に国の科学技術と経済・社会発展を促進、支持する役割を果たさせる。戦略的計画を強化し、宇宙技術、宇宙応用、宇宙科学の発展を統一的に計画する。宇宙航空科学技術の進歩を先導として、ハイテクと産業の発展を導き、在来産業の改造とグレードアップを促す。宇宙環境を保全し、宇宙資源を合理的に開発、利用する。
―対外開放を堅持し、宇宙分野における国際交流と協力を積極的に展開する。中国は宇宙空間の平和利用に関するさまざまな活動を支持し、平等互恵、平和利用、共同発展の原則にのっとって、宇宙分野における世界各国との交流と協力を強める。
二、過去5年間の進展
2001年から2005年にかけて、中国の宇宙航空事業は急速な発展をとげ、次に述べる一連の新たな成果をあげた。 世界先進レベルの開発・実験基地を建設し、研究・設計・生産・実験システムをいちだんと整備し、宇宙航空科学技術の基礎能力を著しく高めた。宇宙技術が全体として著しくエスカレートし、多くのカギとなる重大な技術難関を突破し、有人宇宙飛行が歴史的突破をとげ、月面探査プロジェクトが全面的に始動した。 宇宙応用システムを初歩的に形成し、応用分野をいちだんと広げ、応用の効果を著しく高めた。宇宙科学の実験と研究が重要な成果をあげた。
|