米サイエンス誌の3月12日付け記事によると、月探査機・嫦娥3号の着陸機と月面ローバー「玉兎号」のデータの初歩的な分析の結果、月の地質の歴史が人々がこれまで認識していたよりも複雑であることが明らかになった。人民網が伝えた。

玉兎号の月探査レーダーが収集したデータによると、嫦娥3号の着陸エリアの地層は9層以上の構造となっている。これは同エリアが多くの地質学的過程を経ていることを意味し、月の岩漿の変化の歴史研究に対して非常に重要な意義を持つ。

同記事の筆頭著者である、中国地質大学（武漢）の肖竜教授は、「最も興味深かった発見の一つは、月面から地下140−240メートルの層にある、厚さ約100メートルの地質体だ。その主要成分はよく見られる玄武岩ではなく、火山の爆発によって形成された層状の火砕岩である可能性がある。これは火山活動の多様性を示しているが、より重要なのは月内部に大量の揮発成分が含まれることが明らかになったことだ」と説明した。

肖教授は、「嫦娥3号の着陸エリアは、非常に複雑な火山や衝突による変化および宇宙風化を経ている。科学者は月の火山の地質および熱の変化の歴史を見直す必要がある」と指摘した。（編集YF）

「人民網日本語版」2015年3月27日