ユイグー語の使用人口の継続的減少はすでに長い期間にわたる問題だ。ユイグー族は古くから言語はあるが文字を持たなかった。千数百年にわたる文化伝承は上の世代と若い世代の間で代々口伝えをするしかなかった。今、文化の変遷に伴い、ユイグー語は国から9つの「消滅の危機に瀕する中国少数民族言語」の1つに指定され、ユイグー族文化の伝承と発展も重大な危機に直面している。
科学技術の発展と近代化は文化の変遷の主な要因である。便利な交通、発達した情報伝達、全く新しい生産・生活様式は人々に快適な生活をもたらしたと同時に、相対的に閉鎖された環境において形成された伝統的民族文化にも極めて大きな衝撃を与えている。地域と言語が独立した文化形態を守る「保護層」になり続けることができず、各民族文化の融合のスピードが絶えず加速した時、優秀な民族文化をどう保存し伝承するかが世界的な難問になっている。総人口わずか1万3000人余りで、文字も持たないユイグー族にとって、言語の伝承は文化伝承における最も表面化した問題にすぎない。
これに対して、粛南県宣伝部長で自身もユイグー族の安秀梅さんは対策を講じている。安さんは言う。「私は文化局長を務めたことがある。その後、文化分野担当の副県長を数年間務めてきた。数年前、省の無形文化遺産会議に参加した時、深く心打たれた。帰ってから、ユイグー族の民族文化の保護と伝承事業の強化に努力するようになった。私は同僚たちに、『もしこの件をしっかりやることができなければ、我々はこの民族にとっての罪人となる』と言った」。
児童を対象としたユーグ族民謡訓練班
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