評判が映画の興行収入に大きく影響するというのが通常だが、中国では現在、不評の声が高いほど興行収入が伸びるという不思議な現象が起こっている。29日の時点での統計によると、人気小説家・郭敬明(グオ・ジンミン)が旗を振った「小時代3」(Tiny Times3)の興行収入が3億元(約50億円)に達した。また、評価が二極化していた俳優の鄧超(ダン・チャオ)が初監督と主演を務めたコメディー映画「分手大師」(The Breakup Guru)も興行収入が6億元(約100億円)を超えている。この状況に、「口コミと興行収入が反比例している映画は、本当に大多数の人の娯楽ニーズにあっていたのか?」、「映画製作者側は、商業映画に徹して興行収入を追求するべきなのか?それとも、映画の芸術的価値などを重視すべきなのか?」という疑問が禁じえない。新民晩報が報じた。
不評なほど伸びる興行収入
「小時代3」は今回も、不評にもかかわらず興行収入が伸びている。同作品は、中国国産の2D映画の興行収入記録を数々塗り替えた一方で、中国の大手ソーシャルネットワークのウェブサイト・豆瓣における評価は、第一弾が4.8ポイント、第二弾が5.1ポイント、そして今回の第三弾に至っては3.8ポイントにとどまっているのだ。また、「分手大師」は6億元の興行収入を記録しているにもかかわらず、鄧超のはちゃめちゃな演技のほか、北京で暮らす若い女性・葉小春を迫真の演技で演じる女優・楊幂(ヤン・ミー)がすっぴん姿で登場したり、妊娠中にもかかわらずさまざまなアクションを見せたりしていることがネット上の話題になり、豆瓣の評価は「不合格」の5.7ポイントにとどまっている。
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