中国科学院南京地質古生物研究所は14日、同研究所の張海春研究員が率いるチームが、撫順琥珀(コハク)に含まれる古代生物の種類が世界で最も豊富であることを確認したと発表した。同研究は始新世(約5000万年前)のアジア大陸の琥珀に含まれる生物の空白を埋め、5000万年前にもユーラシア大陸の両端の間に生物の広範な交流が存在していたことを示した。
張氏は、「20数年間の野外調査・収集により、研究チームは2000個以上の撫順琥珀の原料を獲得した。研究結果によると、撫順琥珀に含まれる昆虫は種類が最も豊富で、少なくとも16目、79科、100種以上になる。そのうち最も多かったのは双翅目(ハエや蚊を含む)で、全体の約7割を占めた」と述べた。
張氏は記者に対して、「撫順琥珀に含まれる昆虫は保存状態が良好で、種類も豊富だ。当時の環境、気候条件をよく反映しており、生物の種類が世界で最も豊富だ。そのうちネジレバネ目、アザミウマ目のアザミウマ、ダニなどが初めて発見された」と説明した。
研究チームは、大型・小型化石、赤外線分光法、有機地球化学などの分析手段を用い、撫順琥珀の植物の起源がヒノキ科の植物(メタセコイアが中心)であることを初めて確認した。
同研究が実施されるまで、科学界では白亜紀の西峡琥珀、中新世の漳浦琥珀が発見されていたが、その間の始新世に関しては空白となっていた。今回の研究対象となった撫順琥珀は、始新世のアジア大陸で唯一の生物を留めており、この空白を埋めた。
張氏は、「研究チームは、撫順琥珀に含まれるアリや蜂などの社会性・外部寄生昆虫が、バルト海の生物との間に高い相似性を持つことを明らかにした。これは5000万年前のユーラシア大陸の両端で、すでに幅広い生物の交流が存在していたことを裏付けており、欧州・アジア・インドの生物分布構造の理解に直接的な証拠をもたらした」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年7月15日 |