◆米国の法律、提携の障害に
米国務省は今回、米国政府の新たな考えを示したが、アナリストは「中米の宇宙事業提携を着実に推進するためには、多くの障害を乗り切らなければならず、道はまだ遠い」と指摘した。まずは米国で制定されている、中米の宇宙事業提携を妨害する法律だ。中米の軍事交流を制限するため、米国は批判を浴びている「2000会計年度国防授権法」およびその「修正案」を発表し、10数項目の中米軍事提携を制限した。宇宙事業において、このような禁止令はさらに多くなっている。
◆中米宇宙事業、悪循環に陥る
米ソという二つの超大国は20世紀に、半世紀に渡る冷戦を展開した。冷戦ピーク時に、両国関係は一触即発の状態に陥り、開戦ムードが漂ったが、両国の宇宙事業提携は進められていた。一方の現在、中米の多くの分野の経済交流が緊密になる中、中米の宇宙事業提携は悪循環に陥っているとする声がある。中米の提携が少なかった前世紀末にはチャンスが訪れたが、今やゼロ接触・ゼロ交流・ゼロ提携の局面を迎えているというのだ。
関連法・禁令の裏側には、一部の米国人の冷戦よりさらに冷たい思考が存在しており、この思考は容易に失われるものではない。中国の月探査機「嫦娥3号」が12月上旬に月上陸を実現すると、米国メディアはこれがNASAに厄介事をもたらすと伝えた。これは嫦娥3号が着陸時に、月面で大きな砂塵を巻き起こし、米国が実施中の「月大気・ダスト環境探査機(LADEE)」の研究結果に誤差を生じさせ、「政治的砂塵」を巻き起こす可能性があるからだ。オバマ大統領は12月下旬に「2014会計年度国防授権法」に署名し、米国防総省に対して法律の発効から180日内に、米国の宇宙制御システムと他国の間に存在する開き、およびそのリスクについて分析するよう求めた。米宇宙政策アナリストのアレックス氏は、「中国の月探査の成果が示した世界を指揮・支配する能力が、熟睡していた米国議会と国防総省を揺り起こしたことは、紛れもない事実だ」と指摘した。また「2014会計年度国防授権法」は、これまでの中国を対象とする禁令を取り消さなかったばかりか、さらに条項を一つ追加した。同法の936条は、「当該法の拠出するいかなる資金も、中国および中国が支配するすべての機構による、すべてのネット安全に関する提携に用いることができない」と規定した。
どうやらウルフ議員の引退後に、多くの「ウルフ(狼)」が出現しそうな様子だ。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年1月13日
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