月面ローバー「玉兎」を搭載した月探査機「嫦娥3号」が順調に月周回軌道に入り、着陸予定地「雨の海・虹の入江」が遠くに見えてきた。旧ソ連と米国の初の月面着陸が「盲目的な着陸」であったのと比べ、嫦娥3号は十分に準備を整えている。嫦娥1号・2号、および各国の月周回衛星は近年、虹の入江に注目してきた。これらの衛星が獲得した資料は、嫦娥3号の月探査の価値ある方向性を示した。新華社が伝えた。
虹の入江はどのようにして形成されたのだろうか?探査の価値はどれほどあるのだろうか?各衛星が集めたデータによると、盆地のような雨の海は30数億年前の天体の強い衝突によって形成された。その後、もう一つの天体が雨の海の北西に衝突し、虹の入江が形成された。衝突により発生した岩が、北・西・南西から虹の入江を囲むジュラ山脈を形成した。
その後、雨の海の玄武岩の溶岩が溢れ出し、南東から虹の入江に入り、衝突により生まれたクレーターを埋めた。虹の入江は現在、南東から北西に向かい高度を下げているが、ほぼすべての地域が平原であり、巨大な岩が少ない。このような環境は嫦娥3号の着陸、玉兎の探査、実験の実施に安全な自然条件を提供する。また月周回衛星では得られなかった、溶岩の位置する深度、噴火の時期や頻度といった情報が、今回の月探査によって得られる可能性がある。
虹の入江の重要な見所は、現地最大のクレーターである「ラプラスA」だ。玉兎が虹の入江の東、クレーターの縁に立つことができれば、直径8000メートル、垂直落差約1600メートルの、鍋型の巨大クレーターを目にすることだろう。クレーターの縁には衝突により掘り起こされた物質が存在するため、科学調査の価値からすると、ここを通過することはクレーターの底を探査するようなものだ。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年12月9日 |