今回中国が選出したテレビ番組はすべて、人間の精神世界に対する再認識や、社会発展のプロセスの中で発生する様々な問題を巡る探索にかなり重きを置いているものだった。日韓のテレビ番組製作者は中国ドラマ「北京青年」がかくも理想主義で、青年の精神的な追求に注目していることに驚いていた。「北京青年」の製作会社・鑫宝源公司配給広告部の◆薪羽氏は、「中国大陸のその他の恋愛ドラマや青春アイドルドラマと比較して、『北京青年』が扱っている話題は確かにより前向きで、より人文主義的な色合いが強い」と語った。
「中国の農民を理解しないことは、すなわち中国を理解しないことだ」と主張する肖氏は、この10年間、毎週ある一つの場所を訪れて農村で暮らす人物を取材し、50分の番組「郷約」を毎週1本ずつ、製作し続けてきた。フォーラムで紹介された「郷約?広西陽朔県」では、農村に旅行者が休むための施設を開いた徐秀珍さんが、小学3年生の学歴しか持っていないにもかかわらず、11カ国語の言葉を習得して旅行ガイドになり、世界各国に数多くの外国人の友人を持つという物語が紹介され、現地の風土や人情が映し出された。
肖氏によると、来年『郷約』は内容が改編されるという。「改編後はお見合いの内容などが含まれるインタビュー番組となり、番組の娯楽性が今後強まっていくだろう」と語った。
■誰が誰を学ぶのか?
30年程前、中国では全国民が日本ドラマに夢中になった。山口百恵主演の「赤い疑惑」や「姿三四郎」、日本女子バレーを描いたスポーツ根性系ドラマ「燃えろアタック」、日本ドラマではないが、日本の漫画を原作とした台湾ドラマ「流星花園?花より男子?」などは街から数万の人がいなくなるほどの大ブームを引き起こした。韓国ドラマもまた、イ・ヨンエ主演の「チャングム」やソン・へギョ主演の「フルハウス」、キム・ヒソン主演の「風呂屋の息子たち」、チャン・ソヒ主演の「人魚姫」などが強烈な「韓流」ブームを巻き起こした。しかし、中国のテレビドラマは日韓両国において、このような影響力はほぼ持っていない。
中国芸術研究院テレビ・映画研究所の丁亜平所長は、「日本のテレビ番組は今フォーラムで幅広く敬意を示された。日本の番組は、我々が文化交流の中でどのように民族性を保つかという問題において、非常に啓発的な意義を持っている」と語る。
肖氏は、「三カ国間には、製作方法や撮影、編集方法、素材の応用能力などの分野ではさほど大きな差異は見られない。しかし、オリジナルを生み出す能力、ソフトパワーにおいて中国は劣っている」と指摘する。◆薪羽氏は日本ドラマを高く評価している。「日本ドラマはいつもアジアのトップを走っており、韓国ドラマは特に外国文化の企画・アイデアの応用を非常に得意とする。どちらも中国人は見習うべきだ」という見方を示した。
中日韓テレビ製作者フォーラムは2001年に開始されてから十年余りが過ぎた。同フォーラムは中日間テレビ番組製作者の理解を適切に深め、三カ国のテレビ業界が共に相互交流や学習を行い、互いに切磋琢磨するためのプラットフォームであり、テレビ番組製作に携わる人々の合作の基礎を築いた。イ・ミノン氏は現在「学校」シリーズの第5弾「学校 2014」を準備企画中だ。イ・ミノン氏の理想は国際学校で撮影をして、中日韓三カ国の17、18歳の青年たちを主役にし、三カ国合作で撮影を行い、世界に向けてアジア文化を伝えることだ。これに対し、中日のテレビ業界関係者は、「三カ国合作の機運はすでに熟している。障害を克服する必要はあるが、未来プロジェクトとして具体的に展望する価値はある」という見方を示した。
◆台へんにおおざと
「人民網日本語版」2013年11月7日 |