中国国家国防科工局が1日に明らかにしたところによると、月探査機「嫦娥3号」を打上げるキャリアロケット「長征3号乙遥二十三」が同日、西昌衛星発射センターに到着し、関連する組立・試験を開始した。これは嫦娥3号の任務が全面的に開始されたことを示すものだ。科技日報が伝えた。
同ロケットは第3級液体燃料ロケットで、中国航天科技集団公司に所属する中国キャリアロケット技術研究院が中心になり開発した。嫦娥2号の打上げに使われたキャリアロケットと比べ、同ロケットは多くの新技術を採用し、多くの技術状態の変更を実施し、マルチウインドウ・幅狭発射・高精度軌道投入技術などで飛躍を実現し、信頼性と安全性を高めた。同ロケットは10月27日に北京を出発し、専用列車で西昌衛星発射センターに向かった。
嫦娥3号は組立を完了しており、打上げ前の試験を実施している。月面着陸を実現するため、同探査機には多くの新技術が採用された。同探査機のチーフエンジニアである中国航天科技集団の孫沢洲氏によると、同探査機のメインエンジンは中国の宇宙機に用いられているエンジンの中でも最大の推力を誇り、かつその推力はコントロール可能だ。同探査機は月面着陸の際に、月面から15キロ離れた円形の軌道から着陸することになり、短時間内に着陸速度を毎秒2キロから0キロに落とす必要がある。大気の存在しない環境の中、このようなフルスピードからの「急ブレーキ」は、エンジンの推力の調節によって実現するしかない。
嫦娥3号は年末に時期を見計らい打上げられる予定で、「虹の入江(Sinus Iridium)」地区で中国の宇宙船としては初の地球外の天体におけるソフトランディングを実施し、月面探査を開始する。任務が成功すれば、同地区に人類が初めて訪れることになる。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年11月4日
|