夏に入ると、これまであまり知られていなかったオゾンがPM2.5に代わり、各都市における大気汚染物質の「トップの座」を占めた。中国環境保護部(環境保護省)は7月末、今年上半期の大気品質データを発表した。それによると北京・天津・河北省地区で環境大気品質基準を満たした日は4分の1のみで、重度汚染となった日は5分の1以上に達した。主な汚染物質はPM2.5とオゾンだ。経済参考報が伝えた。
中国環境保護部が発表した74の重点都市の月間大気報告のうち、オゾンは5-7月にかけて長江デルタと珠江デルタの汚染物質の中で最多となっており、華北地区における汚染の程度もPM2.5と肩を並べた。
中国環境科学研究院の柴発合副院長は、「オゾンは空にあれば福となるが、地上にあれば災いとなる。オゾンは主に地表から20-35キロ離れた成層圏下部のオゾン層に存在しており、人体にとって有害な短波長紫外線を吸収し、地球上の生命を短波長紫外線の害から守っている。そのため空にあれば福となる」と説明した。
当然ながら地上のオゾンを無視することはできない。柴副院長は、「オゾンは人間が人為的に排出したものと、大気中で生成されたものがあり、一種の二次汚染物質だ。オゾンは窒素酸化物と揮発性有機汚染物質が、熱と太陽光を受けることで生まれる」と指摘した。
柴副院長は、「長年の研究により、中国の地上のオゾン濃度が年々上昇していることが明らかにされている」と語った。オゾンの危害は無視できないものだ。まずオゾン濃度が上昇すると、人体の健康に影響を及ぼす。次にオゾンは一種のオキシダントで、濃度が基準を超過すると大気中の二酸化硫黄・窒素酸化物・揮発性汚染物質を粒子状物質に転化させ、その転化のペースを加速する。それからオゾンは人体の健康に影響するばかりでなく、環境(特に農作物)に深刻な影響を及ぼし、農作物の減産を招く。
大気中のオゾン濃度が0.5-1ppmに達すると、屋外で長時間過ごした人は喉の渇きなどの不調を訴え、1-4ppmに達すると咳が出るようになる。喘息・肺気腫・慢性気管支炎の患者は、オゾンからより深刻な害を受ける。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年9月17日
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