中国人観光客は今や、米国の各店から最も歓迎される客となった。彼らは分厚い財布を手に、遠路はるばる米国を訪れ、気前よく消費してくれるからだ。米国観光業界の最新データによると、昨年米国を訪れた中国人観光客は約110万人に達し、増加ペースは同国の10大顧客源国の中でトップとなった。また、中国人観光客の米国における消費額は1人あたり7000ドルに達し、全ての海外観光客の中で1位となり、2位の日本人観光客を2500ドル上回った。

▽「歩く財布」と称される

意気揚々と米国に向かう中国人観光客にとって、観光よりも興味があるのはショッピングだ。しかも中国人は気前が良い。ある調査によると、「米国旅行の主な目的は？」との質問に、中国人回答者の半数以上が「ショッピング」と答えたという。中でもショッピングスポットとして中国人に最も人気なのがニューヨーク、ロサンゼルス、ラスベガスだ。ロサンゼルス観光局の局長は「中国人観光客はビーチに横たわって太陽を浴びるよりも、買い物をする方が好きなようだ」と語る。

統計によると、2012年、中国人観光客のカリフォルニア州における消費額は1人あたり2932ドルに達し、2位のブラジル人観光客を500ドル以上、日本人観光客を1000ドル近く上回った。ちなみに、世界の観光客の米国における平均消費額はわずか1883ドルとなっている。

今年の春節期間、米国メディアは中国人観光客が各店で商品を買い込み、大盤振る舞いをする様子をこぞって報じた。

2010年の春節には、参加人数1000人以上、合計約3000万ドルの消費能力を持つ中国人旅行団が、全米最大の百貨店メイシーズなどを訪れショッピングした。現地は大賑わいとなり、各店はドラゴン・ダンスや獅子舞で中国人を歓迎した。

中国人観光客はブランド物の服や靴、バッグなどを特に好むが、中には旅行ついでに米国の不動産市場をチェックしようと考える中国人観光客もいるという。

ニューヨーク5番街にあるアルマーニ旗艦店の店員は、「中国人観光客の消費はここ数年で急増し、今では当店の販売総額のおよそ3分の1を占める」と語る。

全米旅行産業協会（TIA）のロジャー・ダウCEOは、「中国人観光客は『歩く財布』。彼らは皆米国で買った物をスーツケースいっぱいに詰め込んで中国に帰っていく」と語る。