中国国家航天局のウェブサイトによると、月探査衛星「嫦娥3号」はこのほど、打ち上げ前最後の大規模なシステムテスト、熱試験を開始した。人民日報が伝えた。
月では、太陽光が当たる場所の温度は最高150度に達する一方で、当たらない影の部分はマイナス60度から130度の低温になる。夜になると温度はマイナス180度にまで下がり、一部の地域ではマイナス200度に達するところもある。
こうした宇宙の環境をリアルに再現するため、今回の試験では嫦娥3号に「カバー」を取り付けた状態で、真空及び熱の環境をテストするスペースチャンバの中で40日余りにわたって試験を行う。嫦娥3号はこの間、高温と低温のまったく相反する環境を体験する。
今回の嫦娥3号の任務では、月面への軟着陸および巡視・探査という新任務を実施する。嫦娥3号の着陸探査機が月面に到達した後、巡視探査機(月面車)が月面を調査し、月の土壌を採取して分析し、得られたデータを地球へ伝送する。
嫦娥3号の任務は中国の第2期月探査プロジェクト「月面着陸」における最も重要な一歩であり、今年下半期に打上げが予定されている。中国が地球外天体に軟着陸する探査機、巡視探査機を打ち上げるのは初めて。嫦娥3号はまた、アポロ計画終了後初の月面着陸探査機でもある。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年5月16日 |