全国人民代表大会代表、中国航天科工四院の規格チーフエンジニアの胡勝雲氏は、「宇宙飛行士も地上にいる時と同じように、細切り豚肉の豆板醤炒めや鶏肉とピーナッツの炒めものといった、美味しくバリエーションも豊かな中国料理を楽しめるようになる。中国が独自開発した環境コントロール・生命保障システムは、有人宇宙船・神舟10号の任務において、宇宙飛行士により快適な生活を提供する。これらの技術は将来的に、宇宙ステーションおよび有人月探査プロジェクトに使用される」と語った。信息時報が伝えた。
胡氏は、「宇宙飛行士の食べる中国料理は、一般的には地上で加工した後、宇宙船内で加熱されている。これには、宇宙のキッチンが必要になる。宇宙のキッチンは、宇宙船内の空気流量および気温・湿度を調節する。これらはすべて、宇宙飛行士環境コントロール・生命保障システムに属する」と説明した。
地上のエアコンやコンロと同じような機能であるが、「宇宙のエアコン」と「宇宙のキッチン」は、宇宙の厳しい環境条件を克服する必要がある。まず宇宙船に取り付けるために、体積と重量を厳しく抑制しなければならない。次に宇宙の無重力状態は地上とまったく異なるため、製品に欠陥が存在すれば、空気や火を思い通りにコントロールできなくなる。またシステムの信頼性についても、高い制限が設けられている。修理が困難な上、宇宙船と飛行士の生命の安全を脅かすためだ。
胡氏は、「神舟9号の任務遂行の際、宇宙飛行士は宇宙のキッチンとエアコンを用いて生活しており、システムの各性能も証明された。科学者は今回、神舟10号の任務に向け、宇宙のエアコンとキッチンに改良を施し、信頼性・快適性の向上や機能の増加に取り組んだ」と語った。情報によると、関連研究は現在、試験段階から実用段階に移っている。今後は宇宙産業・研究に向けた開発が進められ、さらに宇宙ステーションや有人月探査プロジェクトで使用されることになる。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年3月19日 |