有人宇宙船「神舟9号」がこのほど、宇宙実験室「天宮1号」とのドッキングに成功した。中国はこれにより、有人ドッキングの技術を掌握した世界で3番目の国となった。中国宇宙飛行士センター医学的監督・保障研究室の李勇枝主任は「宇宙飛行士は、中国が開発した漢方薬『太空養心丸(注:太空は宇宙の意)』を、1日3回食べている」と紹介した。神舟5号から9号の任務にいたるまで、宇宙飛行士の健康を保障するために伝統的な漢方薬が使用され、中国の有人宇宙飛行事業を支えているのだ。人民日報が報じた。
宇宙飛行士は今回、10日間あまり宇宙に滞在した。宇宙飛行士は宇宙酔い、減圧症、起立性低下などの宇宙病にかかりやすいが、実はこれらは真の意味での「病気」ではない。無重力によって引き起こされた心血管機能の障害、骨塩量の減少、赤血球減少などの症状は特殊な条件下にいるために起こる生理的ストレス反応と言える。
中医学は体全体を、西洋医学は局部を重視する。中医学はバランスを、西洋医学は対抗を重んじる。西洋医学の短所はまさに中医学の長所なのだ。欧米・ロシアなども宇宙病の症状を重視しているが、西洋医学の効果には限りがあるため、宇宙飛行士の健康問題を効果的に解決するには至っていない。
中医学の専門家は、宇宙飛行士の陰陽バランスを整える措置を講じている。出発前には漢方薬を服用して気・血を調整し、さらにマッサージや針灸などの療法で体質を増強する。宇宙滞在中に十数種類の漢方薬を調合した「太空養心丸」を服用すれば、宇宙病を予防し、バランスを失った気・血の流れを正常にもどすことができる。 |