1986年に発売されてから137万枚の大ヒットを記録し、多くの日本人が江蘇省無錫(むしゃく)市を訪れるきっかけとなった「無錫旅情」を歌う演歌歌手・尾形大作さんが27日午後、無錫市を訪問。同曲の続編を制作する予定であることを明らかにした。中国国営の通信社「中国新聞社」(電子版)が報じた。
中国で9番目に大きな都市・無錫市は、伝統的な民族工商業(自国民間資本経営の商工業)の多い村から急速に発展する科学技術都市への移行を成し遂げ、中国国内で6位の工業規模を誇る。また同市は近年、モノのインターネット都市やソーラーエネルギー産業の面で世界レベルの技術を誇るまでに成長。現在、日系企業1041社が工場を構えている。日系企業の業種も製造業から新型の科学研究機構やソフト会社、アニメ産業などに変化している。同市の方偉副市長は「『無錫旅情』のヒットにより日本の方に無錫市を知ってもらえたことで、ここ25年の間、観光に訪れる人も増え、同市と日本は深い友情を築くことができた。また、同市と日本との貿易量は毎年、700億ドル(5兆8100億円)以上に達しており、これからも経済協力を強化し、文化や教育、観光などの第三次産業の分野での協力を深めていくことを望んでいる」と語った。
現在、無錫蘇南国際空港からは、大阪や東京に向かう直行便が飛び、同地と日本の距離はさらに縮まっている。尾形さんは「25年前、汽車で無錫に来て、『無錫旅情』を歌ったが今は飛行機で来ることができる。今、新曲を制作中で、無錫とのよしみをこれからも歌で伝えたい」とし、「駐日本宣伝促進顧問として、日中両国の国交を深めるためにできることをしたい。また無錫のPRに力を注ぎ、日本と無錫の経済・文化交流を促進していきたい」と語った。
一方、同市観光局の王建軍局長は「尾形さんは無錫の移り変わりを踏まえ、新たな要素を取り入れた『新無錫旅情』を制作する。これにより、同市の経済状況を伝え、都市の影響力を拡大する足がかりができるだろう。同市の観光事業は1曲の歌によって切り開かれた。今後は新曲が観光業に奇跡をもたらしてくれるだろう」と期待感を示した。
尾形さんらの一行は28日、恵山古鎮や古運河、南長街などの観光スポットを訪れ、「歴史ある建物は都市の魂」と絶賛。現地の古運河にある『清明橋』で歌を披露した。(編集KN)
「人民網日本語版」2012年3月30日 |