「天宮1号」と「神舟8号」による初のランデブー・ドッキングは中国有人宇宙飛行プロジェクトにおける最重要技術であり、当然打ち上げ部門にもより高い要求が課せられる。この要求に応えるため、打ち上げ部門は4つの新たな対策を講じている。人民網が30日に伝えた。
■対策1--アンビリカルケーブル・システムの改造
打ち上げ部門職員によると、打ち上げ準備過程では、ガス・電力・液体など各種供給ラインが地上と非常に複雑に接続されているうえ、ロケットの上昇には発射塔からの切り離しが必須。発射塔をロケットの「母体」とするなら、これら供給ラインは「母体」と「赤ん坊」をつなぐ「臍帯(アンビリカルケーブル)」だ。アンビリカルケーブルは打ち上げ時にようやくロケットから離脱する。このためアンビリカルケーブルの安全な離脱は、発射塔エリアでのロケットの飛行の安全に直接関わる。
ランデブー・ドッキングミッションを担い打ち上げられる天宮1号のキャリアロケットと既存のアンビリカルケーブル・システムの技術的インターフェースの違いや、遅延・変更を許されない打ち上げ、不利な気象条件といった新たな要求に対応するため、打ち上げ部門ではアンビリカルケーブル・システムを改造。システムネットワーク、ソフトウェア、液圧設備などを総合的にコントロールし、システムの適応性と信頼性を全面的に高めた。
■対策2--フェアリング空調システムを新たに開発
航天科技集団五院・神舟8号プロジェクトの穆東明副総指揮によると神舟8号宇宙船はソーラーパネルや各種高精密機器を搭載しており、テスト環境にも安定した温度・湿度やクリーンな空気など、相当厳しい要求が課せられている。だが酒泉衛星発射センターは北西ゴビに位置し、室外は風や砂ぼこりが激しく、気候は乾燥し、冬の最低気温はマイナス30度前後、夏の最高気温は40度前後に達する。こうした極端な気象環境の下で一定の温度や湿度、クリーンな空気を維持するのは極めて困難だ。この難題を解決するため、打ち上げ部門は精密な温度調整技術を採用。数値シミュレーションを利用して発射塔封鎖区の温度モデルを構築した。同時に新たに開発した発射塔フェアリング空調システムと温湿度統合モニタリングシステムによって送風方式を調整し、空調システムの環境適応性を高めた。
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