ドッキング目標機「天宮1号」と無人宇宙船「神舟8号」のドッキングがまもなく実施される。中国のドッキング技術の特徴とは?直面するリスクと試練とは?新華社が伝えた。
▽コストを抑えて効率よく
中国有人宇宙飛行プロジェクトの周建平・総設計師は「中国のドッキング技術プランには、中国有人宇宙飛行プロジェクトがこれまで一貫して持ち続けてきた優位と特色が充分に現れている」と語る。
米国とロシアがかつて、1度のドッキング実験のために2つの宇宙船を打ち上げていたのに比べ、中国は1つのドッキング目標機(天宮)に3つの宇宙船を相次いでドッキングさせる、という方法を取るため、2回分の打上げが不要となり、コストが大幅に削減できた。
このほか、この方法を使えば他に3つの問題が解決できる。
第1に、宇宙実験室の開発プロセスが短縮される。天宮1号の各性能指標は宇宙実験室の開発に向けて設計されたものであり、宇宙実験室は主に天宮1号を基礎として建設される。
第2に、宇宙ステーションの重要技術に対する事前の検証と経験の蓄積ができる。天宮1号は、宇宙ステーションで必要となる再生式環境制御・生命維持技術のうち、要となる技術(制御技術、電源技術、推進剤タンク技術など)のテストを行う。ある程度の改良・改善が行われた後、将来的には宇宙ステーションに直接応用することができる。
第三に、天宮1号上で多くの科学実験を行うことができる。
米国・ロシアは40年以上前にはすでにドッキング技術を掌握していた。13年前、16カ国が参加する国際宇宙ステーションの1つ目のモジュールが打ち上げられた。中国は新参者であり、世界との差は大きい。周総設計師は「我々は3歩分の距離を2歩で進み、コストを抑えて効率的に多くの成果を上げることで、初めて飛躍的発展を遂げ、他国に追付くことができる」と語る。
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