中国初のランデブー・ドッキングミッションを担って打ち上げられた宇宙ステーション実験機「天宮1号」は9日午後3時までに軌道を154周した。状態は良好で、正常に航行し、各テストも順調に行われている。人民日報が10日に伝えた。
天宮1号は9月29日夜に酒泉衛星発射センターから打ち上げられた後、2回の軌道変更を経て、地上約362キロのテスト軌道に順調に投入。北京の宇宙飛行制御センターの指示の下、遠隔指令、制御スイッチ、画像・音声設備、船内温度・湿度、ランデブー・ドッキング設備などのテストを相次いで行った。
■宇宙ごみ監視警戒システムを中国初導入
有人宇宙飛行プロジェクトの観測・制御・通信システムを統括する銭衛平氏によると、天宮1号には神舟8号とのランデブー・ドッキングミッションで船体の安全を確保するため、宇宙ごみ監視警戒・回避システムが初めて導入された。宇宙ごみとは主に、廃棄された宇宙機や、ロケットの分離・爆発や宇宙機の衝突により生じた破片など、軌道上を周回する、または大気圏再突入前の各種人工物体を指す。他に地球を周回する自然の宇宙ごみも存在する。
宇宙ごみの増加はすでに人類の宇宙活動に影響を与え、宇宙機にとって重大な脅威となっており、実際に宇宙機の損傷や回復不能な機能停止などの事故が多発している。このため天宮1号には微小な宇宙ごみから船体を守る防護プレートが取りつけられている。監視警戒システムには衝突確率の考え方を採用。宇宙ごみ出現の可能性を毎日精確に計算している。現在の計算では航行中に危険に遭遇することはないと見られるが、専門家は宇宙ごみは大きさがまちまちで、危険性の完全な予測は不可能とも指摘する。銭氏は、今後の中国の有人宇宙飛行では宇宙ごみの監視警戒、衝突回避への取り組みが常態化するとしている。(編集NA)
「人民網日本語版」2011年10月11日 |