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文化・科学・観光  
陸川監督 「戦争の本質を描く映画を撮りたい」

先ごろ『三聯生活週刊』誌が映画『南京!南京!』の陸川監督にインタビューした。内容は次の通り。

──脚本の初稿はいつ頃書き終え、その後どのように書き直したのか。

初稿は2006年3、4月に書き終えた。今の脚本とはまったく違った。前の脚本は商業的なもので、姜先生(高圓圓)と陸剣雄(劉燁)の恋や陸剣雄の逃走、願って当然の期待などが描かれていた。だが、実際には撮影しながら脚本をすべて書き直した。私たちは絶対的な真実を求めているので、撮影現場は脚本を批判し、書き直す絶好の舞台となった。でも、私はそのことでメンツを失うとは思わなかった。劉燁が現場に来てからは、この彼を生きて逃げ出させるのが難しいということが分かった。最後に、逃げる途中で殺されることにするのを決めた時は内心、苦しんで迷った。身長186センチのこんなにかっこいい若者が生きて南京城を逃げ出すなんて、ほとんどありえないことだった。それは青壮年の男性に対する芋づる式の虐殺に属するもので、しかも何回もふるい分けたあと、適齢の男性と見られたらほとんどが殺されたので、生きて出られる可能性は余りなかった。前の脚本とまったく違うこのような修正は、基本的に撮影現場で行ったものだ。

──監督は、この映画の核心は中国人の自己救済に関することだと言っているが、構造的にはどのように変わったのか。

中国人と日本人という2本の線で撮りたいとずっと思っていたが、以前に取材を受けた時には、日本人をどうするかについては言えなかった。でも、この線をあきらめなかった。それは一枚の紙の両面だと思ったからで、どの一面が欠けても完全なものにはならないと思う。最も大きな変化は、半分撮ったところで私が撮っているのは「南京大虐殺」という具体的な事件ではなく、人間が戦争の本質をどう認識するかということを撮っているのかもしれないと、突然気づいたことだ。中国人と日本人というものを乗り越えて、戦争に直面した人間や人間と戦争との関係という普通の法則のような問題に触れることができるかもしれないと思った。

戦争の本質は精神的な苦痛であり、その精神の廃墟の上で踊るある種の文化だ。

──この映画は2カ国の人が協力して歴史上にかつてあった憎しみを描いているが、監督の気持ちはどんな状態だったか。

この映画を撮る時、自分が中国のシーンを撮影する際には百パーセント中国人であることが求められた。虐殺シーンを撮影する時には、骨の髄まで彼らを憎んだ。中国人が「中国は滅びない」と叫ぶのを聞いて、私はモニターの前で涙をこぼした。だが、日本人のシーンを撮影する時には、自分が日本人であることを自分に求めた。それまでの中国の映画では、日本人を人間として考えたことがないと感じたからである。

憎しみという問題について、私はずっと、憎しみのために理性を失ってはならないと自分を戒めている。

以前は、南京大虐殺は個別の事件であり、中国人を非常に恨んでいた日本人がその恨みを発散させたのだと考えていたが、多くのことを知るようになって、中国での虐殺を世界の虐殺と比べると、戦争の中での末端の実行者が身も心も生殺与奪の権利を獲得して戦場の神になると、暴行が拡大されて虐殺が必然的に起こるのだと気づいた。彼らの目に映っているのはもはやヒトではなく、解決を必要とするモノであり、人間同士の正常な交流はすべて砕かれてしまい、ひいてはすべての悪辣な行為が黙認される結果、虐殺が必然的に生まれるからだ。

──協力者の日本人俳優たちはどんな反応を示したか。

多くのシーンはみんなで話し合いながら撮った。日本人俳優は自分が納得できなければ撮らないというところがあり、当時の日本軍はこんなことをしたのだと説得しなければならなったため、やむなく多くの写真資料を見せた。

敏感な話題になるが、日本人俳優のこの映画に対する尊重の度合いは中国人キャストよりも高い。彼らは非常に真面目に行儀よく傍らに立ち、ふざけている人を目にすると、怒ったように目を丸くしてその人を見る。日本人俳優が役になりきっている状態は誰の目にも明らかで、この映画に対する見方を広げてもいる。ある角度から言えば、日本人俳優はこの映画を支えてくれた。

──どうしてこのようなテーマの映画を撮ったのか。

「ココシリ」を監督してから、映画は私のライフスタイルとなったような気がする。それは私のいろいろ感じ取ったことを記録することができる。『南京!南京!』はここ4年間で感じ取ったことを記録したもので、それにこの映画は恋愛についての私の見方を初めて描き出したものでもある。私にとっては、南京大虐殺だけでなく人間についての映画であり、私自身に対する掘り起こしでもある。その中には私の人生に対するいろいろな見方が含まれており、最終的にそれを見つけ出し、表現したことにとても満足している。

──角川の自殺は、監督の戦争に対する反省か。

角川のラストシーンは最後に考え出した。最後に、戦争に対する反省という面では日本人だとか中国人だとか区別すべきでなく、この期に及んで角川は彼自身ではなく、すべての人間を代表して反省すべきだと思った。

──最後は素晴らしいものではあるが、映画全体は重苦しい。娯楽映画に慣れた今の観客はこの映画を受け入れられるか。言い換えれば、興行成績に自信はあるか。

上海で投資サイドが集まったとき、彼らはこの映画に自信満々だったが、私はとても怖い。同じ世代の監督では私はラッキーだ。こんなに多くのおカネを出して夢を実現させてくれる投資家がいるから。上海で試写会を2回行った。評判は言うまでもないが、ある友人が「どんな理由で観客を映画館に呼び込むのか。彼らを映画館に呼び込めさえすれば、あとは映画が解決してくれる。でも、心配なのは観客が映画館に入らないことで、その場合は、陸川という名前の人気度が足りないからだ」と言ってくれた。ここ3年半、すべての力と責任を尽くしたが、興行成績がよくなかったとしても、私は平気だ。この映画は多くの人が異なるルートで見てくれ、私たちの想像以上に遠い所まで足を伸ばすことになると思う。

「北京週報日本語版」2009年4月17日

 

 

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