「青花流水」というメイン展示スペースでは、中国で生まれ、日本に広く伝わり、両国の文化を華やかに彩る染付白磁(染付を中国では青花〈チンホワ〉といい、英語ではBlue and Whiteと呼ぶ)を展示している。日本独自の装飾技術により、人目をはばかる空間だった便所を青と白のハーモニーで華やかに飾った染付古便器は、古の人々をその美しい意匠で魅了してきた。
メイン展示――「青花流水」(繆暁陽 撮影)
「おいしい記憶を作りたい」というメイン展示スペースでは、中国で生まれて日本に伝わり、独自の発展を遂げた日本のしょうゆを紹介している。
日本産業館はまた、見学者に「福袋」を用意し、運がよければ「世界一のトイレ」の体験券が当たる。また、日本産業館には料亭「紫MURASAKI」、「たこ家道頓堀くくる」、「本家さぬきや」、「どんぐり共和国」、「未来郵便局体験館」などのレストランや店舗もある。
日本産業館の外に作られたレストランと店舗(繆暁陽 撮影)
上海万博に“出張”した大阪道頓堀の名物看板「くくるの大たこ看板」(繆暁陽 撮影)
「たこ家道頓堀くくる」は、「たこ焼マイスター」の称号を持つ匠がお客様の目の前でたこ焼きを焼き上げ、たこ焼を通して「日本の食文化」と「大阪」を世界のお客様へアピールしている。また、大阪道頓堀の名物看板「くくるの大たこ看板」が万博に“出張”しており、日本産業館の壁に張られている。
「未来郵便局体験館」は世界有数のリアルネットワーク「郵便局」を題材に、次の時代のストーリーを展開している。未来の郵便局は、世界中をリアルに繋ぐ場、地域の格差をなくし医療・行政・教育・生活をサポートする場として存在している。その時代には、人のやさしさとテクノロジーが融合した郵便局ならではの温かいサービスが提供されている。
「日本産業館は大きなパビリオンだが、その安全性を考えると、パビリオンの中に入れる人数というのは制限がある。パビリオンの中に入るのをあきらめようというお客様がたくさんいるので、私たちはパビリオンの中に入らなくても、外から直接お入りいただけるようなお店をいくつか作った。だから、パビリオンの中の展示をご覧にいただかなくても、外のお店だとか、レストランにお立ち寄りいただければ、いろいろな商品、食べ物で、ああ、これは『J-感覚』だというのをみなさんに感じていただけるような作りになっている」と秋岡栄子館長は語った。
「北京週報日本語版」2010年6月24日
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