日本産業館に入ると、すがすがしい微風が吹く。これはエアコンによる「高原の風」で、見学者は海抜1500メートルの風を体験することができる。続いて、「百面劇場」では100台の液晶画面に日本の様々な風景が映し出される。
テーマ劇場――「宴UTAGE」で紹介されている「J-感覚」(繆暁陽 撮影)
日本産業館は1つのテーマ劇場と8つのメイン展示に分けられる。「宴UTAGE」というテーマ劇場は1本1本の管のような変わった壁に囲まれている。再生紙の紙管を利用しており、エコで、かつ音を吸収する効果もある。縦長の巨大スクリーンは3Dでないにも関わらず、画質は非常に美しく、ハイビジョンテレビの4倍はっきりしている。「宴UTAGE」では、21世紀の日本を北から南、春から冬、もっとも人目に触れない部分からハイテクまで、「J-感覚」で日本のすべてが紹介されている。
「J-感覚」について、秋岡栄子館長はこう語る。「『J』は『Japan』の『J』だ。今、世界のデザインであるとか、ステージの演出というのは、ものすごいスピードでいろいろなデザインや演出方法が出てきている。私たちは現代的な日本のセンスを『J-感覚』と呼んで、古くからある日本の伝統的な表現方法を大切にするだけではなくて、なぜ、今日本のアニメはこんなに歓迎されているのだろう、なぜ日本のファッションは中国の人も大好きなのだろう、ということを考えて、日本の最先端の表現方法、デザインをこのパビリオンに持ってきた。具体的にどう表現するのかというときに、『きれイ、かわいイ、きもちいイ』という3つのキーワードを作った。『きれイ』というのは、美しいという意味もあるし、清潔、公正という意味もある。『かわいイ』というのは、可愛いらしさもあるが、とても魅力的であるという意味もある。そして、『きもちいイ』は、気持ちよかったという意味もあるし、物と物がきちんと並べられている、自分が体で気持ちいいというものだけではなくて、見ることによって、気持ちよいという意味もある。私たちは、『きれイ、かわいイ、きもちいイ』という日常的な言葉で表現されるような日本人の独特のニュアンスであるとか、生活感覚、そういうものをうまく伝えていきたいと思っている」。
日本産業館の正面には、オープンステージがある。今の日本がわかるジャパン・ナウ、日本の美しさを伝えるジャパン・ビューティ、疲れを癒すマッサージ体操、そして週替わりのイベントを行っている。5月17日から23日までは、ステージの上でマリンバの演奏が行なわれていた。時には優しく、時には激しく、時には心地よく、時には豪快な演奏に、国内外からの多くの観光客が足を留めて聴き入り、その様子をカメラに収めていた。
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