本誌記者 呂翎
浙江省寧波維科精華家紡有限公司製品分工場第二生産現場品質管理員の楊暁霞全人代代表
2009年末、中央一号文書が初めて「新世代農民工(農村出身出稼ぎ労働者の第二世代)問題の解決」を提起した。2010年の両会では、新世代農民工が代表委員の注目する話題となった。
「『80後』(1980年代生まれ)、『90後』(1990年代生まれ)に属する新世代農民工にとって、彼らが受けられる教育水準は比較的高く、思考も活発で、何かをしたり考えたりするだけの意志がある。自分が働き生活する都市の住民になることを多くの人が強く希望している」。浙江省寧波維科精華家紡有限公司製品分工場第二生産現場の品質管理員である楊暁霞全国人民代表大会代表は、本誌記者の取材を受けた際こう語った。
1981年生まれの楊暁霞代表は江西省の農村から浙江省寧波に来てすでに十数年。2007年、楊暁霞代表は優秀な外来労働者として寧波に戸籍を移し、寧波市民となった。
自身の経歴と重ね合わせ、楊暁霞代表は新世代農民工の願いをよりはっきりと実感することができる。楊代表は、安定した仕事があり、都市に身を落ち着けることができることが、新世代農民工たちの最大の願いであり、彼らはもう「漂流する感覚」を味わいたくはないのだ、と言う。「戸籍制度上の改革を行って新世代農民工に都市定住の機会を与える必要がある一方で、彼らに社会保障面でも都市住民と同様の待遇を得られるようにしてほしい」。
現在寧波市ではすでに外来労働者に定住のためのポイント制度を実施し始めている。定住を申請したい人は、現在雇用されている寧波市の事業体で5年以上働いていること、社会保険加入年数が5年以上であること、身体が健康で年齢が45歳以下であること等の基本条件を必ず満たさなければならない。申請表のポイントは150点満点で、100点を超えると定住申請を行う資格が得られる。昨年11月に行われた審査では、寧波市で定住申請した2500名の農民工のうち、10人の最終得点が100点に達した。現在、定住のためのポイントの審査は大変厳格だ。一般職位で働く農民工の大部分にとって、技術特許や高級技術職の肩書きの取得といったポイント加算要素はまだ手の届かないところにあるように見えるが、こうした指標を数量化する方法自体は有益な試みであるといえる。
楊暁霞代表は言う。「国が寧波のようなポイント加算定住制度を参考にして、より多くの農民工たちに都市住民になる機会を与えてほしい。それが農民工たちの追い求める目標になるからだ」。
「北京週報日本語版」2010年3月11日 |