チベット文化の授業で「ケサル王物語」を聞く生徒たち
チベット語・チベット文化の授業を担当するスォランダンツェン先生(左)とプウブ先生
さらに、生徒をもっと早く北京の環境に適応させるために、北京チベット高校は社会の資源を利用し、生徒を連れて学校を出て、北京を理解させている。例えば、コミュニティ活動への参加、独居老人の家での中秋節の会食などだ。また、同高校はイトーヨーカドーで生徒が働きながら勉強するなどの社会実践活動を組織したり、民族スポーツ、科学技術発明、書道、囲碁、コンピュータ、ロボット製作などの課外活動を積極的に展開したりしており、毎学期に一回「チベット文化週」の活動を行っている。心理カウンセリング及び交流の強化によって、チベットの子供達をより早く、より良く北京の生活に慣れさせようとしている。
チベットの宗教・文化の教育について張梅氏は、「わが校は生徒に『民族観、宗教観、祖国観、文化観』の4観教育を行っている。それ以外に、専門のチベット語・チベット文化の授業、チベット文化週の活動などを通じて、生徒に自分の民族の文化を理解させている」と語った。 現在までのところ、北京チベット高校は中等部卒業生が13期、合計1135人に達し、高等部卒業生が16期、合計2602人になった。卒業生の進路について張梅氏は、「22年来、わが校の大学進学率は一貫して98%以上だ。実際には98%というのは内地の大学進学率であり、一部の学生は内地の大学の点数に足りないが、チベット自治区内の大学には十分入学できる」と述べた。
北京チベット高校の1993年の卒業生であるドジロブ氏
また、北京チベット高校には校友会があり、多くの卒業生と連絡をとっている。張梅氏は、「わが校の卒業生は、チベットに帰った後はすべて中堅になるようなとても優れた人材だ。政府機関で働く一部の卒業生はすでに県長、公安局局長、裁判所院長になった。企業で働く卒業生の中では、例えば、わが校の1993年の卒業生であるドジロブ氏は現在、チベット天路交通股份有限公司の理事長になり、同社の多くの従業員がわが校の卒業生だ。ラサ市とクンガ国際空港を結ぶ『二橋一トンネル』建設工事も彼らによって行われた」と述べた。
「北京週報日本語版」2009年4月3日
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