北京チベット高校の生徒たち
張梅氏は、「北京チベット高校の教育の特徴はチベットの生徒の特徴によって教育を行うことだ。中国語はこれらの子供の母語ではなく、また、数年前のチベットでの教育の質は内地と比べて一定の差があるため、これらのチベットの生徒の基礎は内地の生徒ほど良くない。教育部の決まりにより、わが校の生徒は必ず現地の生徒と同じ教材を使い、現地の大学入学試験に参加しなければならない。これは私たちにとってかなり難しい。これに対し、北京チベット高校は最初の段階では教育目標を低く設定し、能力が小さな向上幅からだんだんスピードをつけて向上していく方法を採用している」と紹介した。
生徒の成績について張梅氏は、「わが校の大学入学統一試験と普通高校卒業統一試験の成績は両方とも一歩一歩上がっている。2009年の普通高校卒業統一試験は終わったばかりで、わが校の高校二年のクラスが6つの科目の同試験で獲得した成績の平均合格率はすべて北京市の合格率を越えた。わが校の史上最高得点は、2004年にある生徒が取った590点で、清華大学の合格ラインに達した。同年の北京市の重点大学の合格ライン(理科)は491点であり、500点を突破できることはチベットの生徒にとって、並大抵のことではない」と自信を持って語った。
北京チベット高校の生徒たち
北京チベット高校の生徒たち
「ポスト90」(1990年以降に生まれた世代)として、これらのチベットの子供は郷里を遠く離れて暮らしているため、彼らが北京の生活に適応できるかどうか、ということについて張梅氏は、「チベットの生徒の心理を研究していて発見したのは、勉強の動機に関する問題は大きくないが、一部の生徒には勉強嫌いの気持ちが生まれやすいことだ。そのため私たちは生徒の自己効力感について研究を行った。自己効力感とは自分の学習能力に対する一種の判断のことだ。これを研究した後、チベットの生徒と内地の生徒とは確かに異なるところがあることを発見した。内地の子供は高校一年の時には自己効力感が比較的低いが、高校二年になると自信を持つようになり、高校三年になって大学入学統一試験のストレスで同指数が少し下がる。しかし、わが校の生徒は高校一年の時には自己効力感が比較的高く、非常に自信を持っているが、高校二年になると同指数が大幅に下がり、高校三年になるとさらに下がっていく。この理由は、チベットの生徒は北京に来た時には非常に自信を持っているが、基礎があまりしっかりしていないため、何か分からない問題がでてきた時に勉強嫌いになりやすいのだ。それ以外に、思春期の子供であるこれらの生徒は、家族と交流する必要があるが、郷里から遠く離れて暮らしているため、容易に悩みを打ち明けることができず、またストレスも発散しにくい。我慢するだけで、時として心理的問題を生じやすい。これに対し、わが校は専門の心理カリキュラムを設置しており、生徒の心理的問題に合わせて心理カウンセリングを行っている」と述べた。
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